世界で最もユーザー数が多いホームページ作成ツール「Wix(ウィックス)」。2020年現在でも、190カ国、1億1000万人以上に利用され、毎日45,000人が新規登録をしています。
HTMLもCSSも知らないけど、ホームページを自作したい人の強い味方です。Wixは非常に評判が高いツールですが、なぜ評判がいいのか、理由を知りたい方も多いのではないでしょうか。
そこで「Wixの評判を上げているメリット(長所)」、逆に「Wixの評判を下げているデメリット(短所)」について、解説したいと思うので、ホームページ作成ツールを比較する際の参考にしてみてください。
Wix(ウィックス)の評判を上げているメリット
それではまず、Wixの評判を上げている特長から解説したいと思います。Wixには以下のような長所があります。
- オシャレなホームページが簡単に作れる
- デザインテンプレートが豊富
- 世界的に人気があり、歴史も長い
- フリープランがある
- アニメーションも簡単実装
- プラグイン(拡張機能)マーケットがある
- フリー素材がある
- EC(通販)サイト・予約サイトも作れる
- スマホにも自動でレスポンシブ対応
- Wix StudioでハイレベルなWeb制作が可能に
オシャレなホームページが簡単に作れる

ホームページを作成するには、サイトの構造を表すHTML、デザインのCSS、アニメーションなどの動きの実装はJavaScript、サーバーに情報の受け渡しをするPHPなど、様々なコーディング・プログラミング知識が必要になります。どんな簡素なサイトでも最低でもHTMLとCSSは必須です。
しかし、Wixはすでに作成されているデザインテンプレートを編集していくので、WordやExcelを使うぐらいの難易度で、ホームページを簡単に作れてしまいます。
デザインテンプレートが豊富

Wixはホームページ作成ツールの中でも、特にデザインテンプレートが多いです。テンプレートを変更することによって、サイトのデザインを簡単に変更できますが、その数全部で500種類以上。
おそらく全てのホームページ作成ソフトの中でもテンプレートの数はWixが断トツです。これだけあれば、そのまま使っても自分の作りたいサイトにマッチするデザインが見つかる可能性が高いです。

Wixはテンプレートは豊富ですが、一度テンプレートを決めて作りはじめると、他のテンプレートに変更しにくいです。最初のテンプレート選びは慎重に行いましょう。
世界的に人気があり、歴史も長い
Wixのようなホームページ作成ツールをいWebサイトビルダーと呼びます。Webサイトビルダーの中で最も世界的に知名度があり人気が高いのがWixです。
Wixは2008年にリリースされ、Webサイトビルダーの中でも特に歴史が長いです。数多くの競合サービスが淘汰されていきましたが、Wixは勝ち残ったので、今後もサービス終了のリスクは低いです。サービス終了すると、引っ越し作業、リダイレクトなどが必要になり面倒です。
フリープランがある
Wixにはフリープラン(無料版)が用意されています。
フリープランは広告が表示されますし、ドメイン(URL)も自分の好きなアドレスに指定することができませんが、完全無料でホームページを作りたいという方にとっては嬉しい選択肢でしょう。
ただし商用利用の場合には、広告が表示されるのはマイナスイメージを与えてしまう可能性があるので、なるべく有料版をオススメします。

アニメーションも簡単実装

最近はWixのようなインターネット上で完結するホームページ作成ツール(Webサイトビルダー)もいくつか競合が登場しています。たとえばJimdoなども有名ですね。
しかし、Webサイトビルダーの中でもWixが群を抜いて得意なのがアニメーション機能です。
ボタンやテキストをアニメーションさせたり、背景を動画にするなど、動きのあるサイト制作は他のWebサイトビルダーよりも得意としているので、Wixでなければ実装できなかったりします。
ただし、Wixのアニメーション機能は動作が重くなる原因にもなりやすいので、表示速度には注意しましょう。
Wixは表現力豊かですが、操作性が難しかったり、機能を追加しすぎて読み込みが遅くなったりする問題も起こりやすいです。
「気が付かないうちに、パソコン版は問題なくてもスマートフォン版のレイアウトが崩れていた…」
「サイトが重い…」
とならないように、カスタマイズのしすぎには気をつけてください。
プラグイン(拡張機能)マーケットがある
Wixにはプラグインマーケットがあります。プラグインを追加することによって、チャット機能や掲示板機能など、他のWebサイトビルダーでは利用できない機能を追加することが可能です。

フリー素材がある
Wixにはフリーの画像素材が用意されています。
高品質な画像が大量に用意されているので、自分で画像を用意するのが面倒な方はWixがオススメです。

EC(通販)サイト・予約サイトも作れる
WixではEC(通販)サイトや予約サイトも作成することが可能です。
100点以上ある場合などは他のネットショップ構築サービスの方がオススメですが、基本的なネットショップであればWixだけで十分商用利用に耐えられる品質のものが完成します。
ネットショップは日本では近年はShopifyが選ばれる傾向があります。しかし、WixもShopifyに負けず劣らずの機能が実装されています。Wixでも高機能なネットショップを作成できるので、候補の一つにしてみてください。
スマホにも自動でレスポンシブ対応

もちろんスマホで見た際にも自動で最適化(レスポンシブデザイン)されています。
PCだけでなくスマートフォン対応にするには、本来であれば、高度な技術が必要ですが、Wixで作成すれば、どんなサイトでもレスポンシブデザインになります。
Wixは800種類以上のテンプレートを用意されていますが、全てのテンプレートがスマホ対応です。
Wix StudioでハイレベルなWeb制作が可能に
Wixは新しい制作方式としてWix Studioを2023年の夏にリリースしました。Wix StudioはプロのWeb制作会社向けの開発ツールです。
プロのWeb制作現場ではWordPressのようなCMSが採用されてきましたが、Wix Studioの登場で、今後はプロのWeb制作会社・WebデザイナーがWixでWeb制作を本格化させるトレンドが誕生する可能性があります。
Wix Studioでは以下のようなAI関連機能が既に実装されています。今後は通常のWixにもAI機能が実装されていくと予想できます。
- ChatGPTのようにAIによるコーディング
- AI文章生成
- 画像生成
- レイアウト変更の提案
- 背景の自動削除
- 動画のトレーラーの自動生成
- ドメイン名の提案
Wixはホームページ作成ツールの中でもAI開発に積極的です。今後は人気のないHP作成ツールはAI機能の開発に投資できずに差が開き淘汰されていくでしょう。
Wix(ウィックス)の評判を下げているデメリット(短所)
以上がWixの評判を上げている長所でした。
しかしWixも万能なツールではありません。もちろん短所も存在します。Wixの評判を下げている短所は以下の要素です。
- 操作が難しい・使い方の情報が少ない
- サポート体制が弱い
- テンプレートが途中変更できない
- 日本語フォントにマッチしない可能性がある
- 表示速度が遅い
- バックアップ機能なし
- 他ツールに移りにくい
- プラグイン(拡張機能)のサポート体制が弱い
- SEOに弱い疑惑…ブログが上位表示されているのを見かけない
- ブログ機能は充実しているが検索上位表示されるか未知数
操作が難しい・使い方の情報が少ない
Wixは上で述べたように非常に多機能です。しかし、多機能がゆえに、Webサイトビルダーの割に覚えることが多く、使いこなすのは難しいです。
Wixはパソコンが苦手な人が使うので、その分インターネットで検索しても役立つ情報が出てきません。Wix使っている方はパソコン苦手な人がが多いので、Wixの使い方を事細かくブログに書いて情報共有してくれません。
ということで、Wixの難点は公式サイト以外からの情報が少ないことです。奥が深いツールなのですが、使い倒せる人がほとんど存在しないのが現状です。
特にWixのようなWebサイトビルダーはプロのWebデザイナーや制作会社は使いません。だからネット上にプロが書いた情報はほとんどありません。
サポート体制が弱い

Wixはグローバルなサービスで、日本にカスタマーサポートがありません。カスタマーサポートはアメリカで行っています。
Wixはイスラエルの会社で、世界中にユーザーがいます。日本語でのメール問い合わせはできますが、日本人スタッフはサンフランシスコに常駐しているようです。ということで、質問してすぐに返答は来ません。
サポート体制は外資体質なので、個人的にはWixを使っていたときの問い合わせ対応には不満が多かったです。
しかし、近年は日本語でのサポート体制も改善されているので、以前よりは日本人にも使いやすくなっているでしょう。
テンプレートが途中変更できない
Wixはテンプレートが500種類以上も存在しますが、途中から変更できない仕様になっています。作成途中からでもデザインを変更する予定がある場合は他のホームページ作成サービスを使うことも検討してみてください。
でもWixも毎年進化して、より高品質なテンプレートや新規がリリースされているので、着せ替えしたい時に新しいテンプレートを選び直して、ゼロから作るのも検討の価値アリです。
日本語フォントにマッチしない可能性がある

Wixは非常に多くのデザインテンプレートが用意されていて、どれも非常に洗練されていてデザイン性が高いです。
しかし、世界的なサービスであるため、日本語フォントとの親和性が低いこと場合もあります。しかし、近年はWixで日本語サイト作っても外国っぽい感じになるケースは少なくなり、こちらも修正されています。初期設定ではArialなどのアルファベットフォントになっている場合がありますが、日本語フォントも多数用意されているので、そちらを選択するだけでも大きく改善されます。
表示速度が遅い
Wixは機能は多機能ですが、その分サイトが重くなるのか、表示速度が遅いという悪い評判があります。表示速度の問題はWixの運営会社も認識しており、毎年改善されています。これからは5Gの時代ですので、表示速度問題は時間が解決する可能性が高いです。
バックアップ機能なし
WixのようなWebサイトビルダーにはバックアップ機能がありません。ゆえに、あまり複雑でページ数が多いサイトを作成して、データがバグってしまうと面倒です。
他ツールに移りにくい
Webサイトビルダーはホームページ作成ツールとサーバー(データの保管場所)がセットになったサービスです。基本的にWebサイトビルダーで作ったサイトは他のツールに引っ越ししにくいです。
プラグイン(拡張機能)のサポート体制が弱い

上での述べたように、WixにはWix App Marketとよばれる、Wix以外の第三者が作成したプラグイン(拡張機能)を購入する仕組みがあります。
高機能な問い合わせフォームやSEO対策機能、SNSボタンやフォーラム機能、ネットショップまで、ありとあらゆる機能が揃っています。Webサイトビルダーの中でも、Wixは機能面ではかなり攻めていると感じます。
しかし、やはりインターネット上に使い方の情報が書かれていません。Wixアップマーケットは英語での説明しかないアプリも多いので、慣れない英語を読解して機能について習得する必要があります。
しかも、アップデートされているか怪しいアプリもチラホラ…… Wix App Marketのアプリを使うなら、人気のあるアプリだけ最低限の利用にとどめておいた方が無難でしょう。
SEOに弱い疑惑…ブログが上位表示されているのを見かけない

一応Wixではブログを書くことができますが、あまり上位表示されているのを見かけません。
ブログは検索キーワードから集客したり、ブログを読んでもらって広告収入をもらったりできる手段なのですが、Wixでブログを書いてもSEO的に適正に評価されているのか、ブロガーが少なすぎて評価できません。
ブログ機能は充実しているが検索上位表示されるか未知数

Wixではホームページ作成ツールの中でもブログ機能が充実している方です。ブログは検索キーワードから自分のことを知ってもらえる無料でできる集客方法です。
しかしながらWixで書かれたブログが検索上位表示されているのをほとんど見たことがありません。
記事の作成や管理もWordPressと比較するとちょっと面倒です。検索エンジンから正当に評価されたいのであればWix内でブログを書くのは控えた方がいいです。まだアメブロやはてなブログなどの無料ブログの方がWix内のブログよりも上位表示されやすい印象を受けます。
このページもそうですが、世の中のブログ記事の多くがブログSEOに強いWordPressサイトです。多くのWeb制作会社もWordPressで納品することが多いです。しかもWordPress自体は無料で使えます。
Wix まとめ
- オシャレなホームページが簡単に作れる
- デザインテンプレートが豊富
- 世界的に人気があり、歴史も長い
- フリープランがある
- アニメーションも簡単実装
- プラグイン(拡張機能)マーケットがある
- フリー素材がある
- EC(通販)サイト・予約サイトも作れる
- スマホにも自動でレスポンシブ対応
- 操作が難しい・使い方の情報が少ない
- サポート体制が弱い
- テンプレートが途中変更できない
- 日本語フォントにマッチしない可能性がある
- 表示速度が遅い
- バックアップ機能なし
- 他ツールに移りにくい
- プラグイン(拡張機能)のサポート体制が弱い
- SEOに弱い疑惑…ブログが上位表示されているのを見かけない
- ブログ機能は充実しているが検索上位表示されるか未知数
- QWixはサービス終了予定がありますか?
- A
Wixはサービス終了予定を心配される方がいますが、世界的にもシェアの高いノーコードHP作成サービスなので、終了する心配はありません。
Wix ADI(自動生成機能でのHP作成)が機能終了も心配されていますが、Wix公式にそのような情報はありませんでした。
また「AIがデザインを自動生成するホームページ作成ツール:Wix ADI」というブログを2023年6月に更新してアップデートしているので、Wix ADIも今後も継続しそうです。
Wixは、日本にサポート体制が整っていなかったり、操作性が難しかったり、表示速度が若干遅いなどの問題点があります。
しかし、それでも、世界中で今最もシェアが高いWebサイトビルダーはWixです。料金体系もお手頃ですし、無料版も用意されています。
多少難しいですが、Webサイトビルダーの中では柔軟性高いので、作り込んでいく楽しさを味わえるのがWixなので、一度自分で使ってみることをオススメします。