地域の専門家を検索できるサービスとして、知名度が急上昇中のプラットフォームの「ミツモア」。2019年8月時点で合計10万件件以上の仕事依頼がミツモア上で行われています。
日経やTechCrunchでも紹介された実績がある注目のビジネスマッチングプラットフォームですが、どのような特徴がイマイチ分からず、集客手段として利用すべきかどうかお悩みの事業者も多いと思います。
そこで、ミツモアの評判の特徴について解説したいと思います。
ミツモアの評判の特徴は4つ
ミツモアの評判の特徴としては以下4つがあります。
- 5分で事業者として登録できる
- 発注者側もメールアドレスだけで利用できる
- 手数料は無料
- 地域に強い
5分で事業者として登録できる
ミツモアはWeb上で5分で事業者として登録できる、お手軽仕様になっています。
他の見積もり業者だと、認証のために、もっと時間がかかる必要がありますが、この登録のお手軽さがミツモアはとりあえず登録だけしておいてもいいメリットの1つです。
自分から発注者に対して何かしらアクションを起こさない限り、課金されることはないので、どんな案件が巡っているのか、リサーチのためだけでも登録しておいても損はありません。
発注者側はメールアドレスだけで利用できる
ランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングサイトだと、受注側だけでなく発注側もアカウント登録が必要となり、実際に依頼するまでに手間がかかります。
ミツモアで仕事を依頼する場合には、アカウント登録不要でメールアドレスのみ記載すれば業者からの提案を受け取ることができるので、ミツモアのようなビジネスマッチングサービスを使ったことがないユーザーでも気軽に使うことができます。もちろん依頼側は無料で利用できます。
ちなみにミツモアの集客手段としてはオーガニック検索がメインで、一部リスティング広告も併用している感じです。検索がヒットするようにコンテンツマーケティングでお役立ちページを量産しています。
検索で調べて上位表示されたページでミツモアの紹介があるので、そこから依頼するのが主な集客ルートになります。
手数料は無料
ミツモアの業者としての登録は利用手数料・仕事紹介手数料・成約手数料は無料となっています。
料金が必要なのは初めてお客さんにメッセージを送る場合のみ必要になります。
初回メッセージは最低165円(1ポイント)となっており、内容によって必要なポイントが変動します。たとえば1つの返信に10ポイント必要であれば1,650円となります。
送ったメッセージに対して返信があった場合、電話やLINEなど好きな方法で、自由に連絡を取ることができます。
マッチングプラットフォームには大きく分けて「成約課金型」「月額固定料金型」ミツモアのように「連絡課金型」の3タイプがあります。
ミツモアは1つの依頼に対する課金額が小さいですが、その分成約までにつなげるテクニックが必要になる課金タイプです。
利用手数料・仕事紹介手数料・成約手数料は無料ですが、ミツモアの料金システムは賛否両論の声があります。不満の声は後ほど紹介します。
地域に強い
ミツモアは発注者の居住地域と近い業者を優先して紹介するシステムになっており、地域顧客の獲得に強いです。
特に得意なのジャンルが「写真や動画撮影」「税理士・行政書士・弁理士」「ホームページ制作」「ハウスクリーニング(清掃業務)」関連です。
ハウスクリーニング業務などは、地方の家事代行サービスなどが発達していない地域では重宝するでしょう。
190以上の業種・職種での事業者登録が行え、他の見積もりサービスでは登録できないようなサービス・業種でも集客に利用できるのがミツモアのメリットです。
また他の見積もり業者と比べて、地域に根ざした発注者が多いので、リピート客の獲得も行いやすいのがミツモアを利用するメリットの1つです。ミツモア経由で仕事を依頼する発注者の6割ぐらいが、2回目移行も同じ方に仕事を依頼しています。
何度もリピートをしてくれLTV(ライフタイムバリュー)の高いサービスであれば、費用対効果が非常に高くなる可能性があるのが魅力の1つです。
ミツモアのイマイチな評判・口コミ
以上がミツモアの評判の特徴でした。地元の顧客を探すのであれば、利用価値は高いですし、何度もリピートしてもらえるサービスであれば、非常に費用対効果の高い集客手段の1つとなります。
しかし、ミツモアには評判の悪い口コミなどもあるので、合わせて紹介しておきたいと思います。
- 選ばれる可能性は5社に1社
- 高額案件は取得しにくい
- お試し期間以降の手数料が高くなる可能性
- 発注者側の不備でも手数料が発生してしまう
- サクラ疑惑
選ばれる可能性は5社に1社
ミツモアでは最大5社がオファーすることができるので単純計算で選ばれる可能性は約2割です。
場合によっては2〜4社しかオファーしないこともありますが、冷やかしで見積もりだけ取って結局発注しない発注者も存在します。

この文面だったら購買意欲高そうだし、自社の強みとマッチしているので、返信してもらえそうだな〜
みたいに案件の選定スキルが必要になります。最大5社が見積もり依頼に対して、返信できる仕様なので、より成約しやすい返信メールのスキルを磨くなどして、費用対効果を上げていく必要があります。
メールだけで魅力を伝えるのが不得意な事業者には向いていないかもしれません。
高額案件は取得しにくい
ミツモアでは比較的誰でも簡単に業者登録できてしまいます。ということで「ホームページ制作」「フォトグラファー」など参入障壁が低い事業者の場合、レベルの低い同業者も混じっています。
レベルの低い業者が実績作りのために格安でオファーを出してしまうので、高額案件は受注しにくい傾向があります。
もちろんミツモア上での依頼全てが、価格重視の安い仕事ではなく、クオリティとのバランス型の案件や、むしろサービス重視の案件もあります。
お試し期間以降の手数料が高くなる可能性
ミツモアは最初はお試し手数料で利用できますが、お試し利用期間が終わると手数料が高くなるケースがあります。
リピートしてもらえるようなサービスであれば、それでも利用価値はあるかもしれませんが、単発の発注で報酬も少ない案件だと、お試し期間が終了すると採算が合わなくなる案件が増えます。
発注者側の不備でも手数料が発生してしまう
ミツモアでは発注者側が依頼時に記載忘れをしてしまい、実際に返信を送った際に自社では対応できない案件というものが少なからず存在します。
たとえば「納期が短すぎる」「訪問場所が遠すぎる」「個人事業主不可」といったケースです。
発注者側の記入漏れに近いのにも関わらず、こういったケースでも理不尽に課金されてしまう点では少し不満を持つ方の声が目立ちます。
サクラ疑惑
ミツモアで月間数十人が毎月検索している検索キーワードが「ミツモア サクラ」です。
ミツモアはメールに対して返信した段階で料金が発生する「出会い系」と同じビジネスモデルです。運営側からすれば、マッチングしようとしなかろうと自社の収益になってしまうことから、

サクラがいるのでは…? これって詐欺じゃなの!?
と実際に返信手数料を払って全く案件を受注できない事業者からは、評判が悪いです。
実際にミツモアがサクラを使っているかどうかは不明ですが、一般的な話をすれば、サクラ詐欺はユーザー側の思い込みのケースが少なくありません。
自社をよく見せる工夫が下手な登録事業は必ず存在するので、アプローチの不得意な事業者はいくら課金してメッセージ送っても案件を受注することができません。
返信メールの内容のブラッシュアップや、購買意欲の高い発注者を選別するスキルが身につけば、費用対効果が改善されますが、実際にどのようにすれば反響率が上げられるか施策がわからない事業者も多いです。
紹介だけで手数料が発生する料金システムに対して、サクラがいないことを証明することは悪魔の証明の1つです。もしミツモアを数回利用して、全く返信がなくサクラだと感じてしまうのであれば、メールに返信するだけで課金されるミツモアは利用しない方が良いかもしれません。
完全獲得案件によって課金されるクラウドソーシングのランサーズや月額固定料金だけで利用できる比較ビズなどの方が合っているのかもしれません。
ミツモアで成功している人のクチコミ
ミツモアで案件を獲得するには少しコツが必要ですが、最後にミツモアで実際にWeb集客に成功している事業者の口コミも少しだけ紹介しておきたいと思います。

フリーランスのカメラマンとして東北で活動しています。最初はレビューもない状態なので、とにかくプロフィールを充実させて、自分について知ってもらえるように努力しました。
その結果、ミツモア登録から2日で初成約できました。しかも大手メーカーで、自分の取引してきたクライアントの中でも特に大きい法人だったので、こんな案件がネットから受注できるんだと驚きました。
大手クライアントと取引できたことで実績と自信が付き、東京に自分の写真事務所を構える足がかりになりました。ミツモアがあったからこそ、地方在住の自分にも大きなチャンスを掴むことができたと思っています。

着付師をしております。ネット上で集客するのは初めてだったので、最初はなかなか成約しませんでしたが、プロフィールページの画像を充実させたり、依頼人様への返信に人一番熱意を込めて作成して、どのようにすれば、依頼人様の不安を乗り除くことができるかをよく考えるようにしました。
そうした工夫もあり、値引きなどをしなくても、ミツモアさん経由でのご依頼は30%を超える高い確率で成約しています。

税理士事務所を経営しています 。ミツモア登録後1ヶ月で10件、合計150万円以上の案件を獲得できました。
メールでのメッセージのやり取りで、どのように返信すれば、反応してもらえるかなど、自分の工夫次第で反響率を上げていけることが面白いですし、開業間もない自分にとって文章での営業スキルを磨く良い機会になりました。
また一部のクライアントさんに対しては、サービスの感想を提供してもらうことを条件に格安で請け負っていました。こういったキャンペーンみたいな使い方ができるのは、クライアントと自由にやり取りできるミツモアならではだと思います。

カメラマンをしています。ミツモアはテキストだけでお客さんとやり取りできますし、事務所で電話対応する必要がありません。海外での仕事も多いので、ミツモアのようにLINEやメールなど自分の好きな連絡方法で依頼者とコミュニケーションできるのは、海外にいる時間が長い自分にとっては非常に有効な営業ツールです。
ミツモア上にポートフォリオを掲載することもできますし、過去の依頼者さんの口コミが残っていくこともあって、ミツモア上のレビューが上手く営業資産として積み上がっていくのも魅力の1つです。おかげでたった2ヶ月で200万円の売上を達成できました。

ミツモアでも多くの事業者が登録しているので、全員が成功している訳ではありませんが、中には想像以上に大きな成功を収めている事業者がいます。
成功している事業者は、最初のミツモア上でのメッセージ作成に、とにかく力を入れており、これがミツモアで案件を獲得できるかどうかの重要なスキルになってきます。
また、メッセージを受け取った後に依頼人が見に来る可能性が高いプロフィールページで、さらに魅力が伝わるように工夫しています。
ミツモアにはレビュー機能があり良い口コミが増えていくと、他の人からの評価が高いという理由だけで指名されやすくなるのもメリットの1つとなっているので、ミツモアのプロフィール評価を上手く上げていければ、段々と仕事も取りやすくなっていきます。
まとめ
- 地域の集客に強いのでリピートされやすい
- 他の見積もりサイトにはないジャンルも登録できる
- 5分で業者登録できる
- メッセージ返信で課金される
- 初回メッセージとプロフィールの工夫で成約率を上げられる
- レビューが資産になる
ミツモアは地域に強い見積もりサービスで、地元の顧客を強化したい業者には検討の価値ありのサービスとなっています。特にリピートしてもらえる業種にはオススメとなっています。
ただし、メッセージ返信で課金されるので、返信率を上げるテクニックが必要で、セールスライティングが不得意な業者にとっては「サクラじゃないの?」と思ってしまうほど、費用対効果が悪い結果になるかもしれません。
そういった場合にはランサーズなど、案件金額によって課金されるビジネスマッチングプラットフォームの方がおすすめです。
ミツモアは無料で案件を閲覧できますし、メッセージ送信も最初は割引価格でお試しできるので、とりあえず、登録だけしておいても損はないかと思います。
ミツモアのレビューは資産になるので、まだまだ登録事業者が少ない今のうちに、レビューを稼いでおくと、5年後、10年後に「売上の大部分がミツモア経由のお客さん」ということも十分ありえるでしょう。