2006年にカナダで誕生したネットショップ作成サービスのShopify(ショッピファイ)。
日本には数多くのECサイト作成ツールがあるので、まだ知名度は高くありませんが、世界的には非常に人気のあるネットショップ作成サービスです。
最近、日本でも少しずつShopifyを導入するネットショップが増えてきて、Web制作会社からもECサイトを制作するならオススメされることも多くなってきたので、Shopifyにはどのような機能があるのか、評判の特徴を解説したいと思います。
Shopifyの評判の特徴
世界で利用されているが日本でのサポート体制もしっかりしている
日本だとBASEやカラーミーショップ、MakeShopなどが有名なネットショップ作成サービスですが、日本人専用のネットショップサービスであり、海外では利用されていません。それに対して、Shopifyは全世界で利用されているネットショップ作成サービスです。
最初はネットショップが簡単に作れないという個人的な問題から生まれた小さなWebサービスでしたが、現在は世界で一番ユーザー数の多いECサイト支援サービスへと成長を遂げました。時価総額ではTwitterを超えを記録したモンスター企業で、投資家からも高く評価されています。
2020年はコロナの影響もありオンライン物販系サービスに注目が集まり、Shoipify社の株価も高騰しました。買っておけばよかった…(泣)
カナダで開発されているということで、日本人からすれば、サポート体制などに不安を感じるかもしれませんが、2017年末に日本法人も設置され、日本のマーケットにも本格参入となりました。
Wixなどのホームページ作成サービスがいまだに、日本にカスタマーサポート部門がなくサポート体制がイマイチな中、Spotifyでは日本法人を設立して日本語でのサポート体制もしっかり整えてきていることから、安心して利用できます。
デザインがオシャレ
Shopifyが人気の理由の1つが、オシャレなデザインのネットショップが簡単に作成できることです。
海外で開発されているということもあり、日本人からみると、既存の無料テンプレートをそのまま利用しただけでもファッション誌のような仕上がりになります。
またShopifyではWeb制作会社やフリーランスのWebデザイナーが自分でデザインテンプレートを作成して販売できるデザインマーケットが用意されています。日本でもBASEなど一部のネットショップでは個人がWebデザインのテンプレートを販売するプラットフォームもありますが、世界中で人気のあるShopifyの方が本気度の高いクリエイターが、クオリティの高いテンプレートを数多く販売しています。
百ドル程度で海外のプロのデザイナーが開発したデザインテンプレートを利用できるのもShopifyが人気のある理由の1つです。
またHTML・CSSなどが理解できなくても、日本語訳された編集画面で少し設定を変えるだけで、自分の好みのレイアウトに仕上げていくこともできます。
越境ECに強い
近年は日本市場のEC市場の激戦化によって、多くの日本企業が越境ECにも進出するようになりました。
しかし、海外へのネットショップは英語や中国語などへの多言語化や、決済通貨のローカライズ、グローバル決済手段など様々なハードルがあり、日本のネットショップ作成サービスでは対応が難しかったです。
しかし、Shopifyであれば、もともと全世界対応で越境ECとして利用されることを想定して設計されているので、日本のEC構築サービスではハードルが高かった越境ECに適しており、日本から海外に商品を売るならベストな選択肢の1つとなってきます。
ShopifyのECサイト構築に強いWeb制作会社が増えてきている
Shopifyはまだ日本に上陸したばかりのネットショップ作成サービスで、一般ユーザーからの知名度は低いですが、すでに多くのWeb制作会社とパートナーシップを締結しています。
Shopifyは日本のネットショップ作成サービスにはない様々なメリットがありますが、プロにShopifyで制作してもらうことで、よりレベルの高いECサイトを構築してもらうことができる環境が整ってきています。
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細かなSEO対策
ShopifyはWeb業界の中心地であるアメリカのお隣カナダ生まれということもあって、SEO対策にはかなり力を入れています。
日本のネットショップと比べても、ワードプレスと同じ感覚で「ページタイトル」「ディスクリプション」「altタグ」「見出し(H1)タグ」などでSEO対策を行うことができます。
またShopifyオリジナルのアクセス解析機能も、日本のネットショップ構築サービスと比べても、かなりしっかりしています。もちろんGoogleアナリティクスとの連携も可能です。
自動でsitemap.xmlやrobots.txt、connonical URLタグなどが生成されるので、SEOについてあまり詳しくない方でも、自動でかなりのSEO対策を行ってもらえるのも、世界中で普及している理由の1つでしょう。
アドオンアプリがある
BASEやSTORES.jpなど多くのショッピングサイト構築サービスでは自分で追加機能をインストールしていくアドオンアプリが用意されています。
Shopifyでは、ネットショップ系の中ではおそらく一番アドオンアプリが多く公開されています。このアドオンの豊富さはShopifyがECサイトとして評判の高い理由の1つでしょう。
ただし、アドオン機能は用意されているのですが、大半が英語表記になっています。Shopify自体がまだ日本人ユーザーが少ないですし、そもそも日本人に適したアドオンを見つけるのが少しみ難しいかもしれません。
また日本のサービスだと大半のアドオンは無料で利用することができますが、Shopifyの場合には、第三者が作ったアドオンで、アプリ内課金型が多かったりするので、アドオン選びに関しては、少しハードルが高いかもしれません。
日本発のアドオンアプリも増加してきているので、あと1〜2年で日本人にもかなり使いやすい環境になると予測します。
オープンロジの出荷代行サービスが利用できる
出荷配送代行サービスとして人気のあるオープンロジですが、Shopifyにオープンロジのアプリをリリースしています。
Shopifyにあるオープンロジアプリを利用すれば、Shopify上の在庫データと実際の倉庫の在庫数を自動連携させることができます。
現在オープンロジを利用していたり、これから配送代行業者の利用を検討している方は、ぜひアプリを利用して、在庫管理を簡略化してみてください。
LINEとの連携アプリ「Kisuke(キスケ)」が登場
ネットショップオーナーの中にはLINE上での販売がしたいと思っている事業者も多いと思います。すでに多くの日本のネットショップではLINEとの連携が可能になっていましたが、LINEアプリは日本では有名なものの、アメリカ・ヨーロッパでは普及しておらず、Shopifyでも連携する機能がありませんでした。
しかし、日本のトランスコスモス技術研究所が開発したKisuke(キスケ)というツールを利用すればLINE上でもShopify上の商品を離脱されることなく販売することが可能になりました。
Instagramで販売
すでに日本のASPではおなじみのインスタグラム上での販売機能ですが、インスタはアメリカ発のアプリなので、Shopifyとインスタグラムは連携することが可能です。インスタグラムのアカウント上で商品を販売することができます。
BASEやSTORES.jpなどの国産ネットショップにもある機能ですが、しっかりSNSとも連携させてきているので、SNSを通しての集客が得意な方でも利用しやすいネットショップ作成サービスです。
ライブチャット機能を実装できる
Shpify上では多くのライブチャットアプリがリリースされており、チャットアプリをインストールすることで、ユーザーの質問などにリアルタイムで応答することができるようになります。
他にも日本ではAIチャットなどという名前で売り出されている、自動で質問に解答してくれるボット機能を利用できるチャットアプリもリリースされているので、格安でチャット機能をECサイトに実装したい場合にもShopifyはオススメです。
ポイントシステムの導入もアプリで対応可能
Shopifyの不満の1つが「ポイントシステム」がないことでした。楽天やYahooショッピングなどショッピングモールの影響で、日本にはポイント制度が他国よりも進んでおり、多くの国内開発のASPではポイントシステムが利用できます。
カナダ生まれのShopifyではポイント機能がないのが、デメリットの1つとされてきましたが、日本のEコマースに強いデベロッパーが開発した「ポイントアプリ」で念願のポイントシステムが実装可能になりました。
カゴ落ち機能
Shopifyではカゴ落ち対策として「クーポンコード」「退出時オファー」「セキュリティバッジ」などが利用できます。
またメールアドレスが判明している場合にはメールにて購入を促すこともできます。日本のASPのカゴ落ち機能とは若干異なるカゴ落ち機能が用意されています。
商用利用可能な画像素材を公開している
Shopifyでは無料で利用できる画像素材サイト「Burst」を運営していたりもします。どれも高画質でプロが撮影したかのようなクオリティの写真なので、ネットショップの素材として活用できます。
Shopfyを利用していなくてもBurst上の画像は利用することができますが、こういった収益にならないような慈善事業を行っているのもShopfiyの運営会社に好感が持てるポイントの1つで、世界No.1シェアもうなずけます。
使い方マニュアルが少し分かりづらい
色々とShopifyをベタ褒めてきましたが、Shopifyにも、評判の悪い点もあります。たとえば、マニュアルのわかりづらさです。
Shopifyにはもちろん使い方マニュアルが用意されています。しかし英語のマニュアルをそのまま日本語に翻訳した感じなので、日本人にとっては、少し分かりづらいです。Wixなどの使い方マニュアルも日本人には分かりづらいと評判が悪いですが、同じ感じ人間味のないマニュアル翻訳です。
またShopifyでは動画での使い方の動画も用意されていますが、どれも英語表記で日本語へのローカライズはまだほとんど行われていません。
しかし、総合的に見るとShopifyは「デザイン」「アドオン」「SEO」「越境EC」など、様々な強みのあるネットショップ作成サービスで、これからネットショップを開くのであれば、ぜひ検討すべきサービスとなります。特に海外へのネットショップならShopifyが筆頭候補でしょう。
Shopifyの料金プランと手数料
Shopifyの料金プランと手数料について簡単に解説しておきたいと思います。Shopifyには「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」の3つの料金プランが用意されています。
ベーシック スタンダード プレミアム 月額料金 25USD 69USD 299USD 年額料金 300USD 828USD 3,588USD
2022年5月からベーシックプランは29→
25ドル、スタンダードプランは79→69ドルと値下げとなりました。
どれも米ドル換算で為替レートによって月々の利用額は変動します。14日間の無料体験期間は用意されていますが、無料プランはなく、月額料金無料から使えるBASEなどと比較すると、少し高い印象を受けるかもしれません。
一番安いベーシックプランでも月額29ドルなので、日本のネットショップ作成サービスと比べると固定費は少し高めですが、それでも越境ECやアドオンアプリでの拡張機能・デザインのクオリティの高さなどを考えると、妥当な値段なのかもしれません。
ちなみに機能的には以下のような点で異なります。
ベーシック スタンダード プレミアム ユーザー数 2 5 15 ギフトカード X ○ ○ プロフェッショナルレポート X ○ ○ レポートビルダー X X ○ 自動計算送料 X X ○ クレジットカード決済手数料(Shopifyペイメント) 3.4% + 0円 3.3% + 0円 3.25% + 0円 海外クレカ手数料(Shopifyペイメント) 3.9% + 0円 3.85% + 0円 3.8% + 0円 Shopifyペイメント以外の追加決済手数料 2.0% 1.0% 0.5%
特筆すべき点としては、プランによって決済手数料が違ってくることです。日本国内のクレジットカードであれば、決済手数料は3.25%〜3.4%なので、プランによって大きく変わりません。
他の機能的にも不可欠なモノはないので、多くの事業者は最安のベーシックプランでも問題ないでしょう。
ただし、これはクレジットカード払い(Shopifyペイメント)に限った話です。Shopifyペイメントのクレジットカード払い以外の支払い方法の場合には0.5%〜2%の決済手数料が必要となり、Shopifyペイメントのクレジットカード払い以外を利用する場合には注意したいところです。
固定費用をさらに安く始めたいライトユーザーのために月額9ドルで使えるShopifyライトプランも追加されました。
またShopify Plusという名称の大手企業向けの拡張性の高いプラン(月額2000USD〜)も用意さています。大手企業にも数多く導入されている理由としては、大企業向けの特別プランもあるので、ハイエンドなECサイトを作成できるからです。
Shopifyで利用できる決済方法一覧
Shopifyで利用できる決済方法は以下の通りです。
決済方法 | おすすめ度 | 概要 |
Shopify ペイメント | ★★★★★ | クレジットカード払い(VISA・Master・AMEX) |
Apple Pay | ★★☆☆☆ | Appleアカウント払い |
Google Pay | ★★★☆☆ | Googleアカウント払い |
PayPal | ★★★☆☆ | 越境ECの定番 |
Amazon Pay | ★★★★★ | Amazonアカウント払い |
KOMOJU | ★★★☆☆ | コンビニ払い |
携帯キャリア決済 | ★★★☆☆ | ドコモ・au・ソフトバンクで支払い |
GMOイプシロン | ★★★☆☆ | |
Stripe | ★★★☆☆ | |
2Checkout | ★★★☆☆ | |
CyberSource | ★★☆☆☆ | 暗号資産払い |
BitPay | ★★☆☆☆ | 暗号資産払い |
正直、日本人には聞き慣れないない、決済方法が多いと思います。
日本人が利用するのであれば、Amazonの購入アカウント情報がそのまま利用できるAmazon Payが人気が高いです。
次点でGoogle Pay・PayPalあたりも対応させているお店が多いです。最近日本でも普及してきた楽天ペイ・LINEペイなどの日本発のペイ系決済は現在のところ用意されていません。このあたりは国産のネットショップサービスでは一部対応が始まっていますがShopifyではまだこれからです。ただし、コンビニ払いは一応利用できます。
ただし、これらはその決済代行会社の決済手数料+Shopifyに0.5%〜2%を手数料として支払わなければならないので、販売手数料が高いです。
一番オススメはクレジットカードのShopifyペイメントです。決済手数料は3.25%〜3.4%だけShopifyに支払うだけで済むので、クレジットカード以外は対応させないというのもアリかもしれません。(※Amazon Payだけはアカウント持っている方が多いので対応した方がいいかと思います。)
Shopifyペイメントではユーザーは普通の通販サイトのようにクレジットカードでお買い物できます。対応クレジットカードはVISA、Masterard、American Expressが利用できますが、JCBは利用できません。
それでも、Wixなどの海外ネットショップだとPayPalアカウントを作成して、そこにクレジットカードを登録する必要あるのに対して、Shopifyペイメントなら、直接クレジットカードを入力するだけで支払いができるので、ユーザーを逃がす可能性は低いです。
あと銀行振込や代金引換などネット決済を行わない支払い方法も、利用できます。
まとめ
- 世界で利用されているが日本でのサポート体制もしっかりしている
- デザインがオシャレ
- 越境ECに強い
- Shopifyに強いWeb制作会社が増えてきている
- オープンロジの出荷代行サービスが利用できる
- 細かなSEO対策
- アドオンアプリがある
- LINEとの連携アプリ「Kisuke(キスケ)」が登場
- Instagramで販売
- ライブチャット機能を実装できる
- ポイントシステムの導入もアプリで対応可能
- カゴ落ち機能
- 商用利用可能な画像素材を公開している
- 使い方マニュアルが少し分かりづらい
以上Shopifyの評判の特徴でした。月額固定費が必須なものの、「デザイン」「アドオン」「SEO」「越境EC」に強みのあるネットショップ作成サービスを探している事業者であれば、選んでも間違いではないでしょう。
日本には日本人のためだけに作られたネットショップ作成サービスが数多く存在するので、国内マーケットでネットショップを作成するならShopifyだけが特筆して優秀な訳ではありません。
しかし、海外に商品を販売する越境ECのASPを探しているのであれば、かなり優秀なので第一候補となってきます。海外販売こそShopifyの最も得意とする分野です。
また少し日本人には使い勝手が悪い部分があるものの、販売手数料に関しては、全てのネットショップの中でも最安に近い販売手数料の安さなので、実際に一度お試し利用してみてから、決めてみてもいいかもしれません。