ブログたくさん書いて、検索結果から集客につなげたい中小起業も多いのではないでしょうか?
ブログは無料でできる集客手段・SEO対策の1つで、テクニックも体系的に決まっているので、筆者もメインに使っている手法です。
ブログ運営となると、HP作成ツールはWordPress(ワードプレス)を使うケースが多いです。日本でのWordPressの市場シェアは80%以上です。
今回は自営業者や中小企業がブログ集客するために導入したいおすすめのワードプレステーマを、実際に筆者が使ったことがあるテーマを中心に、世間で評価が高いテーマを解説したので、参考にしてもらえれば幸いです。
Swell

2023年筆者が中小企業のワードプレステーマとして一番オススメとしているのはSwellです。Swellは個人の方が開発しているブロガー用のテーマです。
ブロガー用テーマですが、コーポレートサイトに使いやすいレイアウトにカスタマイズすることが可能です。デモサイト6種類と同じカスタマイズができるインポート機能が実装されているので初期設定も楽ちんです。
特にデモ03はスライドショー機能付きのヒーローイメージでコーポレートサイトとしても利用しやすいです。

比較的新しいブロガーテーマだけあり、ワードプレスのGutenberg(WordPressの新エディタ)を想定して当初より開発されているので、ブロックエディタでブログが書きやすいです。
アップデートも精力的に行われており、筆者が今後新しく「ブログ+コーポレートサイト(サービスサイト)」を手掛けるなら、Swellをまず最初に検討します。

日本のワードプレステーマ全体でSwellは市場シェアが10%近くあります。圧倒的な人気を誇ります。
URL | Swell |
コーポレートサイト | ★★★★☆ |
ブログ | ★★★★★ |
価格 | 17,600円(税込) |
Emanon Premium

2020年に人気日本語企業テーマEmanon シリーズのフラッグシップ(最高機能版)としてリリースされたのがEmanon Premiumです。
筆者は2021年に購入して使い始めましたが、こちらは正統派の日本語コーポレートサイトテーマといった印象です。
ブログテーマではなく、コーポレートサイトテーマということもあり、Swellにはない問い合わせページへの訴求やPDFダウンロードボタンなどのWebマーケティング機能も用意されています。
ただし、Swellのようにデモと同じ状態にするには、インポート機能がないので、自分でマニュアルを見ながら少しずつ設定する必要があります。
ブロガーが使うような「吹き出し機能」なども実装されており、コーポレートサイトテーマながら、ブログ集客にも強いテーマといった印象で使い勝手は良いでしょう。
「多言語機能」「資料請求ページ」「追従CTAボタン」「コーポレートサイト向けのレイアウト」「ボタンやテキストなどのアニメーション」が利用したい場合にはSwellではなくEmanon Premiumを使ってサイト制作すると思います。

Emanon Premiumで制作するとデザインが似たようなWebサイトになりがちなのはデメリットの1つですが、個人ブロガー・アフィリエイターのユーザーが少ないのでデザインかぶりは気にする必要は少ないです。
URL | Emanon![]() |
コーポレートサイト | ★★★★★ |
ブログ | ★★★★☆ |
価格 | 27,800円(税込) |
THE THOR

THE THORはSEOに強い日本語ワードプレステーマとしてプロモーションされています。筆者も一時期使っていましたが、もう使っていません。
まじTHE THORはサポート体制がダメすぎます。たとえばフォーラムでボランティアとかいう意味不明な人たちが塩対応してきます。なんか上から目線でそっけない回答されるなど、感じが悪いです。
また以前、不具合について問い合わせしたときに、エンジニアに発注しなければならず、多額の費用がかかるなどと言い訳されて、対応していただけなかった経験がありました。
THE THORは成果報酬型の広告単価が高いので、多くのアフィリエイター(ブロガー)がオススメしているテーマではありますが、機能的には色々と気になる部分があります。Swellと違って、新規の機能追加も実施されていないなど、SNSでも賛否両論のテーマです。
また、ワードプレスの新エディタ(グーテンベルグ)への対応も遅いです。もう真面目にアップデートする気はないのでしょう。

THE THORは一応はアップデートされているけど、細かなバグ修正ばっかりや…
ただし、THORのデザイン・レイアウトは他のブロガーテーマよりビジネスっぽい感じがあるので、デザインがマッチしているのであれば、検討の価値はあります。実際、THE THORで構築した企業テーマは数多く存在するので、自作するにしても参考になります。
コーディングがおかしく、SEO的にページが上に上がらないといった問題はまだ発生していないので機能的にも問題ありません。
ちなみに、この横スクロールテキストですが、お知らせやキャンペーン情報などを流せるので「ブログ集客 + コンバージョン」を考えている事業者にとっては、魅力的な機能の1つですね。

筆者はこのトップのスクロールが成約に重要だと思いTHORを導入しましたが、上で紹介したSwellにも機能が実装されているので、筆者は今後運営に共感できないTHE THORで新しく集客用ブログを開設することはないと思います。
URL | https://fit-theme.com/the-thor/ |
コーポレートサイト | ★★★☆☆ |
ブログ | ★★☆☆☆ |
価格 | 16,280円(税込) |
TCDシリーズ

続いては、中小企業のWordPressサイトの自作で定番のTCDシリーズです。筆者もいくつかTCDのテーマを保有しています。
TCDは100近いテーマが発売されています。個人ブロガー向けテーマも販売されていますが、どちらかと言えば、ブログも書ける法人向けコーポレートサイトテーマ・サービスサイト向けテーマを販売しています。

個人ブロガー向けテーマは最近リリースしていません。個人ブロガーテーマは激戦区なので法人向けコーポレートテーマに特化したのかもしれません。
TCDシリーズは筆者が調べた限り、ホームページ制作会社が納品する場合に、ベーステーマとして多用されています。海外のワードプレステーマより日本製のワードプレステーマをベースにカスタマイズした方がブログでのコンテンツマーケティングしやすいのがTCDが支持される理由でしょう。
吹き出しなどブロガーテーマの機能は一通り揃っているので、TCDテーマでも他のブロガーテーマに近い機能が多いです。ただし、運営との精神的な距離感があるため、Emanon Premium同様にブロガー界隈では、あまり話題にはなりません。
またTCDテーマはトップページがリッチな演出な可能な分、サイト全体で読み込み速度少し遅い印象を受ける事が多いので、PageSpeed Insightsなどで調査しながら、自分が求めるスピードが出ているかどうかは、一度デモサイトで確認しておいた方がいいでしょう。
TCDは法人や自営業者が「公式サイトと集客ブログ」を両立するにあたり、最も無難な選択肢といった印象です。デザインの希望と初期設定がピッタリとハマるのであれば、積極的に検討してみてOKです。
URL | https://tcd-theme.com/wp-tcd |
コーポレートサイト | ★★★★★ |
ブログ | ★★★★☆ |
価格 | – |

TCDテーマについては以下のページに特徴をまとめてあるのだ。
Cocoon

最後は現在閲覧中のサイト(W2B)でも利用しているCocoon(コクーン)です。完全個人ブロガー用テーマです。Cocoonは事業者のコーポレートサイトとしては使いにくいので番外編です。
Cocoonのメリットは無料で使えて、ブログを書きやすいです。今見ているこのサイト(W2B)もCocoonで運営しています。有料のSwellに次いで日本でのWPテーマ市場シェアは2位です。
筆者がなぜCocoonを使っているか、魅力を箇条書きで書くと以下の通りです。
設計がシンプルなので表示速度も早く、速度面ではGoogleに評価されやすいです。今でも頻繁にアップデートされています。数少ないデメリットとしては、デザイン面でしょうか。
Cocoonは少し素人ブログ感が強いデザインになりやすいです。さらに無料で使えるので、多くの個人ブロガー・アフィリエイターが使っていることもあり、デザインかぶりしやすいです。
「あ、これ個人ブログ(アフィリエイトサイト)や…」と思って離脱率が上がりやすくなる可能性もあります。
しかし有志の方々によって、公開されているスキン(デザインのテンプレート)を設定することによって、多少デザインかぶりは軽減できます。※ただし、個人ブロガー向けのアマチュアWebデザインが多いです…

個人的には今ブログするならデザインのオシャレさ的に上で説明したSwell推しなので、このサイトもCocoonからSwellに引っ越ししようかと悩みました。(SwellにはCococonなど他ブログからの簡単引っ越し機能があります)
でも、このCocoonには、ブログ記事ごとに、ページビューを確認する機能が搭載されており、この機能があるおかげで、最近モチベーションが落ちてきたW2Bをメンテナンスしようとやる気を出させてくれるので、今後もW2BではCocoonを使い続けようと思います。


ちなみにこのアクセス統計機能はSwellには搭載予定はありません。Swell開発者の了さんが、データベースが重くなるとの理由でアクセス統計機能の充実には否定的だからや。
Cocoonはブログ専門テーマなので、サービスサイト・企業サイトとして使うなら、ホームページ制作会社に徹底的にトップページ・固定ページをカスタマイズしてもらう必要があります。
Cocoonは機能的には、有料で販売していても申し分ないのですが、デザインが明らかに個人ブログなので、法人・個人事業主が集客ブログとして利用するならCSS(装飾)だけでもプロにお願いしましょう。
URL | https://wp-cocoon.com/ |
コーポレートサイト | ★☆☆☆☆ |
ブログ | ★★★★☆ |
価格 | 無料 |
【SWELLからのお知らせ】
— 了🌊SWELL | Arkhe開発 (@ddryo_loos) July 23, 2021
WordPressテーマ「Cocoon」様と業務提携及び資本提の契約を結びました🤝
今後もより良いテーマへ磨き上げていきますので、両テーマをよろしくお願い致します。😌https://t.co/NHaoezURyW
その後、2022年にCocoonは「エックスサーバー株式会社」と業務提携を発表しました。
このたびエックスサーバー株式会社では、
出典:大人気WordPressテーマ「Cocoon」開発事業を譲り受け、開発者わいひら氏と業務提携締結、圧倒的なWordPress環境の提供へ
無料WordPressテーマ「Cocoon」の開発事業を譲り受けるとともに、
同テーマの開発者わいひら氏と業務提携契約を締結しました。
今後も創業開発者のわいひらさんが、開発・運営を行っていく業務提携契約されているので、スポンサーのような役割でしょうか。
- わいひらさんに何かあった時にエックスサーバー社のエンジニアが開発を継続する
- 今後も無料テーマ(非有料化)として継続が約束されている
- 寄付得点として有効化できる一部のブロックが無料公開された
- Cocoonがエックスサーバーが簡単インストールできるようになる
XWRITE(エックスライト)は企業テーマにはおすすめしません

XWRITE(エックスライト)はレンタルサーバーで名高いエックスサーバー社が開発しているブロガー向けのワードプレステーマです。上で紹介したCocoonがエックスサーバーに事業譲渡された関係で、今後はCocoonの義兄弟という扱いになりました(笑)
1年間無料で利用できて、その後は以下の料金体系の中から選択する料金体系です。いわゆるサブスク型ですが、この料金モデルはWordPressテーマ販売では鬼門です。サブスクモデルはいくつかのワードプレステーマも選択していますが、残念ながらサブスクモデルで成功しているテーマは見当たりません。
さすがにエックスサーバーが開発しているだけあって、使いやすテーマに仕上がっています。しかし機能は初心者向けに凝縮されており、1年後は有料ということは初心者ブロガーを脱出している可能性が高いので果たして需要があるかどうか…
そしてXWRITEは機能的には今後、兄弟テーマとなるCocoonに機能的にはかなり劣っています。
Cocoonは本当に無料? と思うほど高機能です。開発者のわいひらさんが2014年のSimplicity(Cocoonの前身)リリースからずっと育ててきたノウハウが凝縮されている一方で、エックスライトはまだまだ発展途上という感じです。仕事として社内のエンジニアが開発している印象を受けます。
少なくとも同じブログではなく、企業サイトテーマ(フルワイドブロックやJSでのアニメーション)とかポータルサイトとか別のなにか切り口がないと、WRITEの将来は厳しいのではないかと思います。
中小企業のブログ集客向けWordPressテーマの選び方
※編集中
最後に中小企業がWordPressサイトでブログ集客する場合のテーマ選びについて補足しておきます。
ページごとにメタタイトル・メタディスクリプション・noindexが設定可能

ブログSEO施策の一つが「メタタイトル・メタディスクリプション・noindex」の設定です。SEO設定的に必須要素ですが、WordPressにはデフォルトではこの設定がありません。よって、プラグインで対応することが多いです。例えば以下のようなSEO対策用のプラグインが定番です。
個人ブロガーからプロのWeb制作会社まで、WordPressのSEO対策として、All in One SEO PackやYoast SEOというSEO設定用のプラグインを利用してきました。しかし、大半の方はメタタイトルとメタディスクリプションの設定ぐらいにしか利用しておらず、用途にしてはプラグインを利用する負荷が重かったです。
特にAll in One SEO Packは重いとの悪評が多いプラグインなので、できれば使いたくないという声も多く、既に多くの市販テーマではSEOのプラグインをインストールしなくてもテーマ側でメタタイトルやメタディスクリプション、noindex設定できるようなテーマが増えています。
今回紹介したWPテーマのほとんどが、簡易的なSEO対策機能は実装されていますが、自分で探す場合にはプラグインに頼らずに最低限のSEO内部施策が可能なWPテーマを選ぶようにしましょう。
- ソースコード圧縮系プラグイン (Autoptimizeなど)
- Lazy Load系プラグイン
- ページビルダー系 (Elementorなど)
ブログ集客におすすめのワードプレステーマ まとめ
テーマ名 | レビュー総評 |
Swell | ブロガー目線で開発されている今一番勢いのあるWPテーマ。日本語ブロガーテーマの中ではデザイン性が高く、コーポレートサイト・サービスサイトとして活用事例も多い。運営との距離が近い。一番オススメ |
Emanon![]() | Webマーケティング機能を盛り込んだコーポレートサイト・サービスサイトを制作するなら筆頭候補 |
THE THOR | 2021年現在はSwellの下位互換。サポートがボランティアによる運営。 |
TCDシリーズ | 幅広いデザインの選択肢の中からコーポレートサイト・サービスサイトを立ち上げたいなら検討。 |
Cocoon | デザインが完全に個人ブログだが、機能は有料ワードプレステーマに勝るかも…。個人的には一番お世話になっています。 |
2017年当時、筆者はこのブログ(W2B)のスタートにCocoonが選んだのは、無料で使える高機能ブログテーマがCocoon一択だったからです。(他にもXeoryとかありましたが、アップデートが怪しいので除外)
初めてのブログで収益が上がるかどうか不安だったので、無料で使えて、しかも有料ブロガーテーマ並み(当時だとSango・JIN・STORKあたり)の機能が揃っているのは魅力的でした。
今から始めるなら、有料テーマですがSwellでブログ集客を始めると思います。機能的にはCocoonの方が少しだけ多機能だったりするのですが、デザインが洗練されていて、コーポレートサイトやサービスサイトに寄せることができる汎用性があるからです。
Emanon Premiumも1サイト運営していますが、Emanoもデザインが洗練されていて、ブログに強いコーポレートサイト・サービスサイトが作れそうなテーマとしてSwellと合わせて2トップとして考えています。
TCDは作りたいジャンルとマッチすれば使うかもしれません。Cocoonは機能的には申し分なく長年使っていて愛着がありますが、個人ブロガーっぽいデザインが気になるので、新規では作りません。THE THORは他のブロガーテーマと比較するとデメリットが目立つので非推奨です。
基本的にSEO対策として、どれかのテーマが特別優れているという訳ではありませんので、あとは自分の好みでいいかと思います。今回の情報がブログ集客を考えている自営業者・小さな会社のWeb担当者の参考になれば嬉しく思います。