会社やお店のホームページや個人ブログを運営するためにレンタルサーバーを借りようと思っている方も多いと思います。
でも、はじめてホームページを作る方にとってレンタルサーバー選びって結構面倒だと思います。そこでレンタルサーバーにはどのような特徵があって、どのサービスを選ぶのがオススメなのか、解説したいと思います。
ホームページにレンタルサーバーはなぜ必要?
初めてホームページを作成する方にとって、「そもそもレンタルサーバーって何?」とよく分からない方も多いのではないでしょうか?
筆者も初めてホームページを作成しようと思ったときは「レンタルサーバーの契約が必要」みたいなことを聞いて、よく分からないし面倒くさそうなので、レンタルサーバー不要で使えるWixでホームページを作ってしまいました。今ならWixは選ばないですね(笑)
サーバーとはホームページのデータを保管しておく場所です。サーバーがないとWebサイトを自分以外の人が閲覧することができません。

ちなみにWixやJimdoなどのホームページ作成ツールでサーバー契約しなくてもホームページが公開できるのはホームページ作成ツールとサーバーがセット売りになっているからです。
このサーバーですが管理には専門知識が必要になりますし、料金も高額です。そこでWebサイトを公開するためにサーバーを借りたい他の人たちと、1つのサーバーをシェアするのがレンタルサーバーになります。賃貸マンションに例えられることが多いですね。
一般的に大半の個人ブロガー・お店のホームページ・中小企業の公式サイトはレンタルサーバーを借りて管理されることが多いです。
他にも専用サーバー・VPSサーバー・クラウドサーバーなどありますが、ホームページを公開するだけであれば個人でも法人(一般的なコーポレートサイト)でも共用のレンタルサーバーの機能で十分です。
下手に他の上級者向けのサーバーにすると、管理・設定の専門的な技術が必要になるので難しいです。月間100万PV以上のウェブサイトでも共用レンタルサーバーで運営できるので、この記事ではおすすめの共用レンタルサーバーについて解説していきます。
メリット | デメリット | |
共有レンタルサーバー | 簡単・安い | 自由度が低い・他の同居人に影響を受け遅くなる可能性がある |
専用サーバー | 自由度高い・高スペック | 自分で設定が必要 |
VPS(Virtual Private Server) | 自由度高い・高スペック・比較的安い | 自分で設定が必要 |
クラウドサーバー | 自由度高い・柔軟にスペックを変更できる | 自分で設定が必要 |
ホームページのレンタルサーバーを選ぶ際に抑えておきたいチェックポイント
レンタルサーバーも数多くのサービスがありますが、業者を選ぶ際に抑えておきたいポイントとしては以下のようなポイントです。
- 稼働率が安定しているか
- 表示速度が速い
- 電話サポートあり
- PHP・SQLが使える
- 過去にやらかしてない
- 常にアップデートし続けている
- バックアップ機能がある
- 無料SSL
稼働率が99.99%以上
レンタルサーバーの稼働率ですが99.9%なら、年間約9時間以下の停止時間が発生します。99.99%なら約1時間以内発生します。
稼働率は99.9%よりも99.9%の方がより安定するので、なるべく99.99%を選ぶようにしましょう。
SLA(100%保証)もありますがレンタルサーバーでは難しいかもしれません。
またレンタルサーバーによっては異様にサイトが重い時間などがあります。評判の良いレンタルサーバーでも配属されたサーバーが不安定といったケースもあります。レンタルサーバーの個体によって不安定な場合には別のサーバーにエミグレーション(引っ越し)させてもらえる会社もあるので、もしハズレを引いた場合には、一度エミグレーションを依頼してみてください。
ただし99.99%でも稼働率がいまいちなレンタルサーバーもあり、この公式サイトで公開されているデータは信用できない場合もあります。個人ブロガーなどはTwitterでレンタルサーバーの状況をつぶやいたりしているので、それをチェックしてみるといいかもしれません。
表示速度が速い
レンタルサーバーを選ぶ際の重要なポイントの1つが表示速度です。表示速度が遅いと離脱率が上がってしまいます。おそらく多くのブロガーが最も重要視しているのが表示速度であり、近年人気のレンタルサーバーはほとんど高速レンタルサーバーになっています。
実際SEO的にもGoogleウェブマスターブログで公式に「読み込み速度を」順位付けのアルゴリズムとして使用することが宣言されています。
ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用します
ユーザーはページの読み込み速度を非常に気にかけていることがわかっています。 読み込み速度はこれまでもランキング シグナルとして使用されていましたが、それはデスクトップ検索を対象としていました。 そこで 2018 年 7 月よりページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素として使用することを本日みなさんにお伝えしたいと思います。
表示速度が速いと言われているレンタルサーバーとしてはエックスサーバー・mixhost・ConoHa Wingあたりです。サーバーで表示速度を決めるのは以下のような要素です。
Webサーバー | LiteSpeed ・nginx・Apacheの順で高速 |
ストレージ | SDD・HDDの順で高速 |
PHPバージョン | PHP7・PHP5の順でで高速 |
PHP動作方式 | LSAPI・FastCGI/モジュール・CGIの順で高速 |
また一般的に会社やお店のホームページはブログよりもデータ容量やJavaScrpt(アニメーションの演出)などのプログラミング要素で読み込み速度が遅くなりがちなので、個人ブロガー以上に表示速度には気を配るようにしましょう。
ちなみに筆者は以前エックスサーバーを使っており、現在mixhostを使っていますが、乗り換えた理由の1つが表示速度の評判が高かったというものがあります。確かに表示速度計測サービスでの数値は若干改善されました。
電話サポートあり
共有レンタルサーバーはサーバーサービスの中でも格安(月額1,500円以下)を売りにしたサービスなので、会社によってメール対応のみとなっている場合もあります。
しかし、レンタルサーバーやWebサイトにトラブルが起こった際には電話でいち早く連絡が取りたい場合もあると思います。特にお店や法人のビジネス系のホームページでは電話サポートのあるサービスを選択しておいた方が無難です。
またメールサポートも土日も含めた24時間サポートを行っているかどうかも併せてチェックしておきたいところです。
PHP・SQLが使える
最近のブログや会社のホームページの多くはWordPress・EC-CUBEなどのCMSで制作されています。
CMSは動的にWebサイトを構築するので、Webプログラミング言語(PHPなど)とMySQLというデータベース管理システムを利用します。月額500円以下の格安レンタルサーバーの中にはPHP・MySQLが利用できないものもあるのでPHP・SQLをサポートしているレンタルサーバーを選ぶようにしましょう。
過去にやらかしてない
レンタルサーバー会社の中には過去にデータ消失事件などを起こしてしまっている会社もあります。社内体制がしっかりしていない可能性があるので、過去に重大な事故を起こしていないレンタルサーバー会社を選んだ方が無難です。
またレンタルサーバーは10年以上の運営歴のあるサービスと新興ベンチャー企業が運営しているサービスがあります。
重大なトラブルを起こしていなくても、新興レンタルサーバー会社は、社内体制が整っているかどうかは未知数ですし、資本力もないので、しっかりした補償を行っていもらえるかどうかは不透明です。同じようなスペックなら信頼性の高い会社を選んだ方が万が一のリスクを考えると安全です。
常にアップデートし続けている
レンタルサーバーですが、一般的に年々スペックが上がっていく傾向があります。新しいレンタルサーバーサービスは一時的には、業界トップクラスのスペックや料金体系をひっさげて業界に参入してきますが、その後大きなアップデート・サービスの改善も行ってもらえずに低迷してしまうサービスもあります。
長い年月に渡って人気のあるレンタルサーバーは、ここらへんのアップデートもしっかり行ってきた実積があるので、長年に渡り人気のあるレンタルサーバーはハズレがありません。
バックアップ機能がある
自社でバックアップをとっておくことも重要ですが、社内の担当者が変わった際にうっかりミスでバックアップデータを消去してしまうリスクもゼロではありません。
そういった想定外のケースを考えて、レンタルサーバー側でバックアップを取得してもらえるサービスの方が安全です。
ちなみにバックアップ自体は無料でも、実際にデータを復旧する際には有料になるサービスもあります。エックスサーバーとかが、バックアップは無料でも復旧させるには有料になるパターンです。
無料SSL
さすがに2019年ともなると無料SSLはどこのレンタルサーバー会社でも提供していますが、一応無料の独自ドメインSSLがデフォルトで利用できるかどうかも確認しておきましょう。SSLはサイト上で発信された情報を暗号化してデータ漏洩を防ぐ技術です。
また法人の場合、「企業の実在を確認できるOV型のSSLの方がいいかも」と感じるかもしれません。しかし、OV・EVは年間数万円と高額ですし、無料の独自ドメインSSLで十分なケースが多いです。EV・OV・DVでの暗号強度の違いはありません。
もしECサイトやログイン機能を実装する会員サイトの場合にはOV以上が望ましいかもしれませんが、一般的なコーポレートサイトなら無料の独自ドメインSSLで大丈夫です。
EV (金融機関向け) | OV (実在証明書) | DV (ドメイン確認) | |
ドメイン使用権の確認 | ○ | ○ | ○ |
企業の実在性 | ○ | ○ | X |
申請企業が本物である確認 | ○ | ○ | X |
参考:CPI
その他
その他以下のような点もチェックポイントです。
- サーバーの設置場所は日本国内、できれば東京都内
- セキュリティ対策がある
- ディスクはHDDではなくSSD
ホームページにおすすめのレンタルサーバー4選
それでは最後にホームページにおすすめのレンタルサーバーを紹介していきます。どれも個人向けレンタルーサーバーです。
レンタルサーバーは「個人向けサーバー」と「法人向けサーバー」が存在します。しかし両者に明確な違いはありません。
法人用サーバーの方が、セキュリティ面で付加価値がある場合もありますが、スペックは値段の乖離ほど優れている訳ではないサービスが多く、法人でもコーポレートサイト程度であれば個人のレンタルサーバーで満足いくパフォーマンスが得られます。
サービス競争も個人のレンタルサーバーが活発なので、コスパも個人向けの方が優れています。それではおすすめの個人向けレンタルサーバーを紹介していきます。
エックスサーバー(X10プラン)
プラン | OS | Webサーバー | ストレージ | PHP | PHP動作 |
X10 | Linux | nginx | SSD | PHP7 | FastCGI |
ホームページのレンタルサーバーで最もオススメなのがエックスサーバーX10プラン(月額900円)です。個人向け高速レンタルサーバーの先駆者的な存在で、常にスペックがアップデートされているので、大体エックスサーバーが一番オススメされることが多いです。
月間100万PV以下の個人ブロク・自営業・中小企業のホームページであればエックスサーバーで問題ありません。
法人向けにはエックスサーバーB10プランとかもありますが、料金は高いです。セコムセキュリティ診断サービスがセコム公式よりも安くなるのが最大のメリットかと思いますが、不要であればビジネス用途でもX10プランで十分です。
電話サポートもありますし、初めてのレンタルサーバー契約なら、一番人にオススメしやすいのがエックスサーバーのX10プランです。
mixhost(スタンダードプラン)
プラン | OS | Webサーバー | ストレージ | PHP | PHP動作 |
スタンダード | CloudLinux | LiteSpeed | SSD | PHP7 | LSAPI |
今筆者が使っているのがエックスサーバーの最大のライバルであるmixhostです。こちらも高速レンタルサーバーの位置づけで、スペック的にはエックスサーバーよりも優れています。しかも他のレンタルサーバーと違い、他の同居人の影響を受けにくい仮想コアレンタルサーバー(クラウド・VPSに近い)の設計になっています。
筆者はエックスサーバーからの乗り換えでmixhostを3年契約で使っていますが、以下の理由でエックスサーバーよりも他人にオススメしにくいです。
- 電話サポートがない
- データ消失事件を起こしている
- エックスサーバーでは経験したことがない異様に表示スピードが落ちるケースがある(ハズレ引いた?)
- 体感的にはエックスサーバーとの表示スピードの速さの違いをほとんど感じない
バックアップを引き出すのが無料だったり、3年契約だと月額880円になるなどのメリットがあり、表示速度的にもエックスサーバーの上位互換みたいな印象がありましたが、総合的な安定感だとエックスサーバーの方が良いというのが個人的な感想です。
個人ブロガーならmixhostでもいいと思いますが、会社や個人事業主のホームページならエックスサーバーの方が安心できるかもしれません。

カラフルボックス(BOX1プラン)
プラン | OS | Webサーバー | ストレージ | PHP | PHP動作 |
BOX1 | CloudLinux | LiteSpeed | SSD | PHP7 | LSAPI |
スペック的にはmixhostとほぼ一緒です。しかし、カラフルボックスはデータ容量30GB程度の変わりに月額500円程度で利用できる高コスパの格安プランがありmixhostよりも固定費が安いです。
評価はまだ定まっていませんがが、表示速度が早くて低価格を重視するのであれば検討してみてください。ただし電話サポートがないので、法人は注意です。
さくらのレンタルサーバー
プラン | OS | Webサーバー | ストレージ | PHP | PHP動作 |
スタンダード | CentOS | nginx + Apache | HDD | PHP7 | モジュール |
さくらのレンタルサーバーは古くからあるレンタルサーバーですよね。ただ、あまり話題になりません。理由としては特に秀でた特長がないレンタルサーバーだからです。エックスサーバーのように高速表示とかじゃないと口コミの盛んなブロガーには使ってもらえませんが、さくらのレンタルサーバーはスペック的にはこれまで微妙でした。
しかし2018年に大幅アップデートされたので、これらの高速レンタルサーバーにかなり肉薄してきている印象です。ただし、やはりスペック的にはエックスサーバーやmixhostより一段劣ります。
おすすめは月額515円のスタンダードプランですが、この料金体系で貴重な電話サポートありです。企業としての信頼性がありながら、安さを考える方はさくらのレンタルサーバーも検討してみてください。


ブロガー界隈で有名なひつじさんがツイートしているこの文が、上手く今のレンタルサーバーの世間の印象を体現していると思います。
ワイ的レンタルサーバー位置付け
XSERVER:初心者向け。まずこれを選べば後悔しないサーバー。
mixhost:初心者向け。ユーザー多くてサーバースペック優秀。
ConoHa WING:中級者向け。めちゃ速い良サーバー。
ConoHa VPS+Kusanagi:上級者向け。変態(褒めてる)じゃないと扱えない代物。
— ひつじ@JIN制作 (@hituji_1234) 2019年4月27日
無料レンタルサーバーでホームページ運営ってどうなの?
ちなみに世の中には無料でレンタルサーバーを借りられるサービスもあります。代表的なところではエックスサーバー社が提供しているXFREEなどですね。しかし、基本的に無料のレンタルサーバーはオススメしません。
理由としては以下のようなことなデメリットが複数該当するレンタルサーバーが多いからです。
- サポートが受けられない
- 表示速度・同時アクセスの許容量などのスペックが低い
- 稼働率が不安定
- WordPress(PHP/MySQL)が使えない
- 広告が表示される
- SSLがない
- マルチドドメン数(作成できるサイト数)が少ない
- データ容量が少ない
- いつサービス終了か分からない
レンタルサーバーは月額500円ぐらいから契約できるので、この料金は必要経費と割り切って、無料レンタルサーバーで消耗せずに、最初から有料レンタルサーバーにすることをオススメします。
まとめ
開始年 | おすすめプラン | 料金 | 容量 | サポート | |
エックスサーバー | 2003 | X10 | 月額900円 | SSD200GB | 電話・メール |
mixhost | 2016 | スタンダード | 月額880円 | SSD150GB | メール |
カラフルボックス | 2018 | BOX1 | 月額480円 | SSD30GB | メール |
さくら | 1996 | スタンダード | 月額515円 | HDD100GB | 電話・メール |
以上ホームページにおすすめのレンタルーサーバーでした。基本的に初めてのレンタルサーバーは「運営歴が長い」「容量が多い」「電話サポートあり」「料金もまぁまぁ」のエックスサーバーを利用するのがいいのではないかと思います。
最近はどのレンタルサーバー会社も簡単に引っ越しできるような機能が用意されているので、1年エックスサーバーを使ってみて、もし何かしら不満が出てきた際には他のレンタルサーバー会社やビジネス向けの上位プランなどを検討すればいいと思います。
