僕はユーチューバーのずんだもん。
広告収入だけで生きていけないから、ハウスクリーニングの副業を始めるのだ。
近年、起業分野と注目されているビジネスジャンルがハウスクリーニング。企業を検討している方、創業して事業をスタートさせたばかりの事業者、既に事業を複数年に渡り開始されている法人など、様々な状況があると思います。
今回はハウスクリーニングが起業ジャンルとして儲かるのか、辞めたくなる理由も併せて業界をリサーチしてみたので、参考にしてもらえれば幸いです。
ハウスクリーニングが起業ジャンルとして注目されている理由
そもそも、なぜハウスクリーニングが起業ジャンルとして注目されているかといえば、いわゆる便利屋業系だからです。起業ジャンルとして昔から便利屋が人気があります。江戸時代以前から「よろずや」なんて呼ばれて存在していた職業です。
便利屋が起業ジャンルとして人気なのは以下の理由です。
- 一人でスタートできる
- 固定費・在庫リスクなし
- 利益率が高い
- 専門スキル・資格不要
- 人脈を作りやすく他ビジネスに応用しやすい
これだけメリットが多い事業は便利屋業の他には、ほとんど存在しません。
しかし、令和現在において便利屋業というのは斜陽産業です。便利屋はなんでも屋と言われるほど様々な依頼に答えていく懐の深さがある一方で専門性がないため、サービスが細分化された現代社会にマッチしなくなったからです。
便利屋業といっても依頼はある程度定番が決まっています。その王道の依頼ジャンルの一つがエアコン清掃を中心としたハウスクリーニング業です。現在は便利屋ではなく様々な専門職となっています。よってハウスクリーニングでの起業は便利屋業での起業とほとんど同義です。
便利屋で自分の体一つで稼いで、店舗ビジネスや在庫を持つ商売に進出したりなど、事業規模を広げていきたい起業家にとっては王道のビジネスです。
- 便利屋よりも専門性が高くプロと評価される
- ハウスクリーニングに強い集客サイトがある
- 清掃業は便利屋より不動産関係者に営業しやすい
- 自分の体一つで開業できる
- 固定費・在庫リスクなし
- スキル習得が比較的容易
- フランチャイズなど新規参入しやすい環境が整っている
- 年齢・経歴関係なくスタートできる
- 人手不足の業界のためアルバイトや業務委託なら簡単に雇ってもらえる
ハウスクリーニング業で起業したのに辞めたいと思う理由
便利屋業は自分の体一つで起業できる数少ないジャンルであり、新規参入もしやすいこともあり注目されています。
しかし、現代版便利屋業のハウスクリーニングは開業希望者が多い一方で辞めていく人も多いのは事実です。リサーチしながら、参入後に撤退したくなりそうな要因について情報をまとめて考察してみました。
- 営業活動が大変
- 加盟するフランチャイズで当たり外れがある
- 起業しても低年収な確率が高い
- 売上単価が低い
- 繁忙期と閑散期の差が激しい
- 休みが自由に取れない
- ビルクリーニングは朝早い
- ビルクリーニングはホワイトカラーの会社員と比べてしまう
- 契約外の仕事を頼まれると断りにくい
- ルーティンワークでつまらない
- 優秀な人材を獲得するのが難しい
- 交通費で利益が削られる
- 自宅完結できない
エアコンクリーニングで開業検討中なら試験的にでもミツモア、ゼヒトモには登録しておきましょう。
営業活動が大変
業種関係なく起業するとなると、どこかしらお客さんを獲得しなければなりません。ハウスクリーニングのお仕事というと一般家庭からのお仕事をイメージしやすいですが主に以下3つに分類できます。
- 家庭内のハウスクリーニング(エアコンの分解洗浄中心)
- 不動産賃貸の空室清掃(原状回復クリーニング)
- 会社のオフィス清掃
会社のオフィス清掃(ビルクリーニング)であればさらに以下2つに分類できます。
- 日常清掃(9割)…掃除機・机の上を拭く・トイレ掃除
- 定期(機械)清掃(1割)… ポリッシャー・高圧洗浄機・エアコン
家庭内の案件であれば、くらしのマーケットやミツモアのような集客サイトを使う事業者が多いです。
しかし、ハウスクリーニング業で安定させるためには法人からの定期案件の獲得は必至です。不動産の原状回復は案件自体はあるので、不動産管理会社への飛び込み営業などが行われています。
会社のオフィス清掃に関しても不動産関係会社への営業や顔見知りのツテを使って探されるケースが一般的です。どのお仕事でも該当しますが、簡単に案件が獲得できるようなジャンルが存在しません。
清掃業や軽貨物を起業ジャンルとして選ぶ人の中には、会話や対人能力に苦手意識があり、普通の会社勤めが向かないから、選択する方も少なくありません。しかし、ハウスクリーニング業といえども、自力で新規開拓しなきゃいけないので、営業マンを辞めたくて開業したのに、逆に営業から逃れられなくなります。
単価が高く安定収入につながるのはtoC(対個人)よりtoB(対法人)案件ですね。法人営業スキルが重要になります。
加盟するフランチャイズで当たり外れがある
ハウスクリーニング業を開始するにあたって、フランチャイズに加盟して事業を開始するパターンも人気です。フランチャイズに加盟するメリットとして、ハウスクリーニング業界未経験の人でも仕事を教えてもらえたり、案件を紹介してくれるなど、様々なメリットがあります。
- ブランド力がある
- 案件を紹介してくれる
- 技術研修がある
- 本部に相談できる
- 加盟店の先輩など横のつながりを構築できる
一方でフランチャイズのサポート体制には開きがあるようで、以下のようなデメリットも存在します。
- どれぐらい本部経由で案件を紹介してくれるかは不明
- 案件の紹介には紹介手数料が必要
- 毎月ロイヤリティを支払う必要がある
- チラシなどの販促ツールや清掃器具を本部から購入が必須な場合がある
- 研修がいい加減なフランチャイザーもある
- 本部の加盟店に対する対応全般がいい加減な場合がある
- 自分で好き勝手にサービス内容・料金を変更できない
- 同じ看板の同業者が後から増える
自分で全く営業しなくても本部が全て仕事をふってくれる場合もあれば、加盟したけど集客は自力で開拓しなければいけない場合もあります。
「営業不要」とか「案件紹介多数」など加盟時には魅力的なお話をしてくれますが、実際に加盟してしまうと、そうでもないケースがハウスクリーニング業界のフランチャイザーでは多いらしく、言った言わない問題に発展しないように録音しなければなりません。
加盟店への加入は数百万円の投資になるために、失敗すると退場する可能性があるで
最初はフランチャイズではなく、くらしのマーケットやミツモアからスタートした方がリスクが少ないです
起業しても低年収な確率が高い
ハウスクリーニング業は大きく稼ぐことができません。年収は300〜1000万円ぐらいで言われることがありますが、年収ベース(年商ではない)だと300〜400万円ぐらいに収まる事業者が多いです。
ハウスクリーニングで創業しても人を雇わず個人事業主で運営となるとハウスクリーニング業ですが、残念ながら普通にサラリーマンしていた方が稼げる可能性があります。
会社員であれば、有給休暇も取得できますし、仕事を怒られない程度にサボっても給与は毎月振り込まれます。営業職であれば歩合なので勤め人でありながら大きく稼ぐ可能性も残されています。
ハウスクリーニング業だと自分がサボれば売上は立ちません。自由を手に入れるために起業したのに、ハウスクリーニングは自由度が低い業種です。
売上単価が低い
ハウスクリーニングで起業しても低年収な理由として、売上単価が低いことです。
ハウスクリーニング業者の営業先として定番なのが、不動産会社からの案件です。退去時の清掃業務は比較的初心者でも獲得しやすい案件とされています。
しかし、既に不動産管理会社やハウスメーカーは多数のクリーニング業者を知っています。なぜ新しいハウスクリーニング業者に仕事を上げるかといえば、単純に単価が安いからです。よって新参のハウスクリーニング業者が不動産会社の下請けとして高単価案件を獲得することは至難の業です。
またフランチャイズに加盟すると本部から紹介してもらえます。しかし本部から紹介されたまたエアコンクリーニングなどはリピートしてもらいやすいサービスな一方、単発のスポット案件になる可能性もあります。
自分でも自覚するほどで、愛想が悪く、人付き合いに苦手意識がある事業者だとリピート発注や契約を短期で打ち切られる場合があります。紹介案件は紹介者にロイヤリティや紹介手数料を支払っている可能性があります。
くらしのマーケットなどのポータルサイトでも事業者が多数登録されているので、競合による価格下落圧力も単価が上がらない要因の一つです。
繁忙期と閑散期の差が激しい
さらにハウスクリーニングが経済的に安定しない理由として閑散期があるからです。
閑散期は引っ越しシーズンの3〜4月です。引っ越し業者は繁忙期ですが、ハウスクリーニングは、仕事が減少する傾向があります。エアコンも一旦、使わなくなるシーズンなので、依頼が減少します。
季節に影響を受けや浮く生活が安定しにくいのがデメリットの一つです。取れる仕事の量は限られているので、
繁忙期は年末の12月なのだ。会社員の年末年始休暇前のゆったりした空気感が羨ましいのだ!
できれば、年末年始はこたつの中でずんだ餅を食べたいのだ。
休みが自由に取れない
ハウスクリーニングはクライアントワーク(下請け)です。エアコン清掃だと、夜間や土日祝の作業も多いです。
法人契約を主戦場とした場合には決まった曜日には清掃に入る必要があるので、自分の都合で休暇をとることができません。今日は「雨だから」「寒いから」外に出たくないといった選択肢がないお仕事です。
ハウスクリーニング業は下請け的な立場なので、いくら個人でスキル磨いていったしても自由を手に入れることはできません。自由を手に入れるためには法人化して人を雇う必要があります。
宅食系(ウーバーイーツ)とかだと、雨の日は報酬単価が高く設定しているなどもありますが、天候ボーナスもないのだ。畜生なのだ。
ビルクリーニングは朝早い
ハウスクリーニングの中でも企業のオフィス清掃は売上的に重要です。
ビルクリーニング業だと継続案件ですし、法人契約ということもあり顧客単価も高いです。ビジネスでは一般的にtoC(一般消費者向け)事よりもtoB(対法人)事業の方が儲かるのは清掃業界でも同じで法人のお客さんを集めた方が儲かります。
ただし法人のビルクリーニングの仕事のデメリットの一つとして朝早いです。真夜中の午前1〜3時あたりに作業が開始する場合もあります。深夜勤務と同じなので体が合わない人にとってはキツいです。
生活リズムを一般的な会社員と同じにしたいのであれば一般家庭中心のハウスクリーニングの方が安定する。けど、その分、収益は下がるで。
不動産の退去後の清掃などのtoB事業は昼活動ですね。
ビルクリーニングはホワイトカラーの会社員と比べてしまう
ビルクリーニングのお仕事の場合は真夜中〜早朝にかけて、ビルの人がいない時間に作業をする場合ケースも多いです。
オフィスなので、昼間はホワイトカラーの会社員が仕事をしているのがイメージできる職場が多く、ビルによってはとても高給取りなビジネスパーソンなのがオフィスからイメージできてしまいます。
「この会社の従業員は、エアコンがある快適な部屋でパソコン作業しているのに、自分は朝早くからトイレ掃除していて、起業してまで何やっているんだろう……」なんて人によっては深く考えてメンタルを病みます。ビルクリは単純作業でも余計なことを考えずにもくもくと作業できる人じゃないと務まりません。
契約外の仕事を頼まれると断りにくい
清掃系のお仕事をしているとお客さんから、想定外のお願いをされることがあります。1分もかからない簡単なお仕事であればいいですが、中には5分以上必要な面倒くさい、お願いをされる場合があります。
本当は契約外の仕事なので、やりたくないなんとなくですが、断りにくい雰囲気がありますし、清掃業のお仕事に関心がある人は「良い人」が多く交渉が苦手です。こういったサービス外のお仕事に時間を費やしていると時間単価が下がってしまい、稼げなくなる原因です。
ルーティンワークでつまらない
清掃業は始めることは簡単でも続けていくモチベーションを保つことが難しいです。
ハウスクリーニング業は意外と覚えることが多く専門的な職業です。いろいろな清掃器具やスキルがあります。ハウスクリーニングもビルクリーニングも最初は色々と習得することがあり、成長感があります。習得した技術は自宅でも応用できますし、掃除のスキルは一生モノです。
しかし、1〜2年も働けば成長性を感じなくなります。年収も頭打ち感が分かります。せっかく企業してもこれから人生の大半を清掃作業と感じて辞めたくなる方もいます。
成長感がないルーティンワークになると、元サラリーマンの人であれば、やっぱりエアコンが効いた快適な部屋でPC作業の方が楽だなと思ってしまいます。
優秀な人材を獲得するのが難しい
ハウスクリーニング業で大きく稼ぐ手段の一つとして法人として人を雇って運営することです。しかし、地味で単調な仕事のために人材を採用するのが難しいです。自分に利益を残すとなるとアルバイトや低単価の業務委託での発注となるため、すぐに辞めてしまいます。給与や待遇も低いというイメージが強いため、若い人や女性などの応募者が少なくなっておらず、訳あり男性からの応募が多くなります。
ハウスクリーニング業は、技術や知識だけでなく、コミュニケーション能力やマナーも必要な仕事ですが、低単価で色々と求めていくのは至難の業です。お客さんとやる気のないスタッフの間で肉体的にも精神的にも大変です。
多くのスタッフを雇っているビルクリーニング業者でも向上心はないけど、派閥ができたりなど、扱いが大変だそうです。
そもそもフランチャイズは、労働基準法が適応されないという個人事業主を集めるためや。加盟店が従業員を雇うことがビジネスモデル的に難しいんやで。
交通費で利益が削られる
ハウスクリーニングは当然ですがお客さんの建物にて作業するため現場までの移動が発生します。交通費や移動時間が必要になりこの時間は当然ですが無報酬です。
また起業すると会社員ではないので、誰も経費を計算してくれません。経費として落としても、払ってくれません。使った経費は節税にはなりますが、全額精算してくれる訳ではありません。交通費の関係で自宅から遠い案件を獲得しづらい業種です。
またハウスクリーニングだと軽バンみたいな社用車で移動する場合があります。デザイン的に自家用車との兼用も難しいため、商用車の購入費・保険料などの固定費も別途必要となります。
自動車税、自動車保険、車検代、修理メンテナンス、駐車代、ガソリン代、高速代金など様々な自動車関連の費用が必要です。
清掃業は自宅で完結できない
ちなみに筆者も在宅の個人事業主という立場で生活しているので、ハウスクリーニング業は一度は考えたことがあります。しかし以下の理由で見送っています。
- 狙える年収の天井が低い
- 肉体的な疲労感が貯まる
- 移動の時間が無駄
- 社会的地位が低い
- 作業着着たくない
- お客さんにヘコヘコする機会が多そう
- 在宅メインで仕事できない
- 追求したいジャンルではない
- 潔癖症なので掃除したくない
特に自宅でできる仕事ではないというのが、自宅でできるPC作業に集中させている筆者にしては最大のボトルネックということもあり見送っています。
外出したら交通費とか色々発生します。PC作業であれば、ちょっと隙間時間に別の案件の作業もこなせたりして、時間給をアップさせたりすることもできますが、外で作業していると、そういった別案件と同時並行させるような仕事の仕事のやり方ができません。
ハウスクリーニングの廃業率は50%
ハウスクリーニング業界は、高齢化社会やテクノロジーの進化により、需要が増加している一方で、競争も激化しています。そのため廃業率も高くなっています。具体的には、年間10000社が開業し、5000社が廃業していると言われています。
- 独立初期の経営難
- 集客が難しい
- 季節性で経営が安定しない
- 人手不足
- 過当競争
- 広告費用・紹介手数料が高い
- 単価が低い
成功するためには、「低価格競争に陥らずにサービスの質を高めること」「リピート顧客の獲得」「口コミを増やすこと」「差別化すること」など様々言われていますが、毎年1万件近い事業者が新規参入していることを考えると、なかなか難しい業界であるのも確かです。
ミツモアなら、無料登録できるのでテスト的に気軽にスタートできます
ハウスクリーニングでの起業 まとめ
- 営業活動が大変
- 加盟するフランチャイズで当たり外れがある
- 起業しても低年収な確率が高い
- 売上単価が低い
- 繁忙期と閑散期の差が激しい
- 休みが自由に取れない
- ビルクリーニングは朝早い
- ビルクリーニングはホワイトカラーの会社員と比べてしまう
- 契約外の仕事を頼まれると断りにくい
- ルーティンワークでつまらない
- 優秀な人材を獲得するのが難しい
- 交通費で利益が削られる
- 自宅完結できない
以上となりますが、ハウスクリーニングは起業しやすいなんでも屋の派生系職種であり古くから人気のある起業ジャンルです。
ただし、参入障壁が低いことや、集客や営業活動が必要なこともあり、作業していれば仕事が勝手に降ってくる訳ではありません。よって、これから起業する場合には少し注意した方が懸命というのが筆者の個人的な所感です。
起業ジャンルとして同じく盛り上がっている軽貨物よりもリピート顧客(資産性のある顧客)は構築しやすく、安定はしやすいと思うので、大きくは稼げませんが、外に出てのもくもく作業が苦手じゃない人であれば、チャレンジしてみてもいいかもしれません。筆者には無理そうだったので見送りました。
エアコンクリーニングで開業検討中なら試験的にでもミツモア、ゼヒトモには登録しておきましょう。