日本を代表するホームページ作成ソフトとして長きに渡り王座に君臨してきたのが「ホームページビルダー」。ワープロソフトの一太郎やATOKを開発する株式会社ジャストシステムの看板商品の一つです。
インターネット黎明期から、日本国内でのホームページの自作文化に大きく貢献してきたホームページビルダーですが、近年は「時代遅れ」と言われる口コミもSNSでは耳にするようになりました。
そこでホームページビルダーが時代遅れと言われる理由と、使い続けるメリットについて解説したので、参考にしてもらえれば幸いです。
ホームページビルダーが時代遅れと言われる理由
デザインテンプレートが古く感じる
ホームページビルダーはバージョン22だと合計352種類のテンプレートが用意されています。Wixの800種類とかと比較すると、少し少ない印象を受けますが、それでもHP作成ソフトの中ではトップクラスのテンプレート数です。
しかし、ホームページビルダー22のテンプレートはデザインが古く感じます。2010年代前後を彷彿とさせるコーポレート向けのデザインテンプレートが多いです。今から新しく作成するのであれば、2020年代に見えるモダンなテンプレートが用意されているHP作成ツールの方がデザイン面からすると合理的です。
関連記事:個人のホームページ自作に人気のHP作成ソフト12選
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今の時代は、売上アップできないHPは意味ないから、金あるなら自作よりプロに頼んだ方がいいで
動的なコンテンツが作成できない
ホームページビルダーは完全な静的なHPを作成します。動的なコンテンツを含むホームページを作成できません。動的なコンテンツには例えば以下があります。
- 人気記事
- 関連ページ
- 掲示板機能
- ページへのコメント
- ログイン機能
動的コンテンツはユーザーにより満足のいくWebサイトに構築するために、不可欠といっても過言ではない機能です。
検索結果に上位に表示するためのSEO対策には動的コンテンツのカスタマイズも重要となってくるため、WordPress(ワードプレス)などの他の動的HP作成ツールが利用されるケースが多いです。
- 表示速度が高い
- セキュリティが高い
- サーバー(HPのデータ置き場)のダウンが発生しにくい
- 更新が簡単
- コンテンツの管理が簡単
- SEO対策しやすい
- 天気や価格情報など随時更新していく情報も掲載できる
ブログが作りにくい
SEO対策方法の王道がブログです。様々な検索キーワードに対してブログで回答を用意することで、集客が可能です。王道の集客方法の一つですが、ホームページビルダーはブログSEOが不得意です。作り方によっては無料ブログサービスと連携したりする必要もあります。
ブログやるならWordPress一択となります。
ワードプレスは今では様々な用途で利用できますが、ブログに強いCMSとして当初は誕生しました。
一応ホームページビルダーでもWordPress用のテーマ(デザインテンプレート)の書き出しが可能です。しかし普通に市販のWordPressテーマ買った方が機能的に優秀です。ホームページビルダーに付随するWordpress書き出し機能は正直、筆者は存在理由がよく分からないです。
おすすめのワードプレステーマ(テンプレート)については「中小企業のブログ集客におすすめのWordPressテーマ」にて詳しく解説してあります。
ネットショップ機能がない
ホームページビルダーを使っている事業者は個人の趣味ではなく、事業者が多いです。事業者であればオンラインでの商品販売は一度は検討したことがある事業者も多いのではないでしょうか。
ホームページビルダー単体ではEC(ネットショップ)機能を実装することができません。
以前は「ホームページビルダーEC」と呼ばれるネットショップを作成するバージョンが存在しました。しかし、EC版は楽天市場やYahoo!ショッピングモールに対応していた特殊なネットショップ作成ソフトです。そしてホームページビルダー22以降、EC版は消えてしまいました。
近年はEコマースの重要性が大きくなり、Wix・JIMDOなど他のホームページ作成サービスがネットショップ機能を簡単に実装できるため、ホームページビルダーはオンライン決済機能の点で、他のHP作成ツールに大きく遅れをとっています。
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アップデートの頻度が低くなってきた
ホームページビルダー21以前は毎年のように新しいバージョンがリリースされていました。しかし22までは3年、バージョン23はまだアナウンスされていませんが、2023年時点ですでに22の発売から3年以上が経過しています。
システムを作り直すレベルでの大規模リニューアルをしているのか、それとも保守中心のマイナーアップデートに切り替えたのかは不明ですが、たしか、近年のホームページビルダーは勢力的には動いていません。長年のユーザーの中にも不安感を感じて他のHP作成サービスに乗り換えるパターンも耳にします。
ネット検索しても解決方法が出てこない
ホームページビルダーはネット検索しても使い方などの情報が出てきません。
理由としては、現在ネットで情報発信している人の大多数がWordPressと呼ばれるCMSを使っているからです。ホームページビルダーは現在は1.6%ほどのシェアしかありません。
利用ユーザーが少ないことや、人気が衰えていることから、Google検索しても情報がヒットしません。使いながら自力で使い方を勉強する必要があり、学習コストが高いです。
HP作成ツール | 日本国内でのシェア率 |
---|---|
WordPress | 82.3% |
Adobe | 3.0% |
Shopify | 2.6% |
ホームページビルダー | 1.6% |
JIMDO | 1.2% |
Wix | 0.4% |
分からなくてもエックスサーバーのカスタマーサポートが教えてくれるので、ぜひチャレンジしてみてください。
ホームページビルダーはMacに非対応
iPhoneの普及でパソコンをMacにするユーザーも増加しました。WindowsよりもMacの方がシンプルに使えて、セキュリティの問題も少ないので、ライトユーザーにはMacの方が使いやすいですよね。
しかし、Macではホームページビルダーを動かすことができません。ホームページビルダーはWindows専用ソフトです。株式会社ジャストシステムは、一太郎などWindows用ソフトデベロッパーとして発展してきた企業なので、Macでの開発はあまり積極的ではない印象を受けます。
HP作成方法のバリエーションが増加した
ホームページビルダーが時代遅れと言われる要因の一つに代替案が多く登場したことです。大きく分割すると「HP作成ソフト」「Webサイトビルダー」「CMS」と3種類ありますが、たくさん候補があります。
- ホームページビルダー
- Dreamweaver
- ホームページV4
- Wix (Wix Studio/Editor X)
- STUDIO
- JIMDO(ジンドゥー)
- アメーバオウンド
- ペライチ
- グーペ
- BiNDup
- WordPress
- Drupal
- Movable Type
- Joomla!
ホームページビルダーはサーバーの契約が必要となります。サーバー契約はホームページビルダーを使うような初心者にはハードルが高いです。
WixやJIMDO、STUDIOのようなWebサイトビルダーであればHP作成ツールとサーバーがセットになっているので、SNSのように簡単に全世界に情報を発信することができます。
CMSのWordPressはホームページビルダー同様にサーバーの設定が必要となります。しかし高機能なブログ機能、SEO対策、何千もの拡張機能によって非常に高機能な動的Webサイトを構築することができます。
今からポジショニングとして微妙な立ち位置となってしまったホームページビルダーをあえて選ぶ理由がないことが「時代遅れ」のような考えにつながっています。
ホームページビルダーが時代遅れでも使うメリット
上記でホームページビルダーが時代遅れである理由を解説しました。しかし、それでも根強いファンがいるHP作成ツールです。多少の時代遅れ感があっても使い続けるメリットはあります。
- 新しく操作を覚え直す必要がない
- 必須の新機能は実装されている
- 運営会社の安心感とサポート体制
新しく操作を覚え直す必要がない
すでに長年ホームページビルダーを使ってHPを自作してきた人にとって、そのまま使い続ければ、新しいHP作成サービスの操作を覚える手間が必要がありません。
どのHP作成サービスに乗り換えるにしても「簡単に自作」といっても、やはり1ヶ月ぐらいは勉強する時間が必要です。その点、ホームページビルダーのバージョンアップ版であれば、大きく操作性が変化することがないのは大きなメリットです。
これまでのホームページビルダーで特に困っていることがなければ、無理に別のホームページ作成ツールに乗り換えする必要はありません。
必須の新機能は実装されている
ホームページビルダーはアップデートの頻度は下がっていますが、重要な新機能は実装されています。たとえば以下のような機能が近年のアップデートでは実装されています。
カスタマイズ性が優れているとは言えませんが、現代のHPに必須の機能は揃っています。
運営会社の安心感とサポート体制
ホームページビルダーシリーズの利点として、ジャストシステムが開発・運営していることです。日本の上場企業が開発しているホームページ作成サービスは少ないです。
そしてジャストシステムはカスタマーサポートが比較的充実しています。
ネットで検索しても使い方の情報が見つかりませんが、その代わり、直接ジャストシステムのカスタマーサポートに質問すれば解決できます。
CMSのワードプレスはオープンソース(営利目的の会社が管理していない)なので、質問して回答してくれる人がいません。
WebサイトビルダーのWixは外資系企業が開発しているため問い合わせのサポートには弱いです。
機能的には必要十分かつ安定感を求めるのであればホームページビルダーを使い続けるという選択肢は間違ってはいません。
その他、国産ノーコードHP作成サービスだとJIMDOやグーペ、BINDupがサポート体制が比較的しっかりしています。
ホームページビルダーは時代遅れ? まとめ
- デザインテンプレートが古く感じる
- 動的なコンテンツが作成できない
- ブログが作りにくい
- ネットショップ機能がない
- アップデートの頻度が低くなってきた
- ネット検索しても解決方法が出てこない
- Macで使えない
- HP作成方法のバリエーションが増加した
- 新しく操作を覚え直す必要がない
- 必須の新機能は実装されている
- 運営会社の安心感とサポート体制
ホームページビルダーはたしかに、これから新規でホームページを自作しようと考えている方の選択肢には入れる必要はありません。
しかし、長きに渡ってホームページビルダーとともに事業を営んできた方にとっては、ジャストシステムがアップデートを放棄するまでは使い続けるのも一つの選択としてはアリではないかと感じます。
ホームページページビルダー以外の選択肢については「ホームページ自作に人気のHP作成ソフト」を参考にしてみてください。
またホームページビルダーからWordPressなどの他のHP制作ツールに乗り換えたい場合にはHP制作会社に依頼がおすすめです。高品質なHPの方が問い合わせなど売上につながるので、検討してみてください。
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