誰でも簡単にホームページが作れるということで長年ベストセラーを記録しているホームページ作成ソフトが「ホームページビルダー」。
以前は毎年新しいバージョンが発売されていたので、開発中止の噂もささやかれていました。しかし3年以上の時間がかかりましたがホームページビルダー22が2020年4月に無事リリースされました。
「ホームページビルダーのメリット・デメリットは?」
「ホームページビルダーってどんなサイトが作れるの?」
「ホームページビルダーみたいなソフトって他にはないの?」
など様々な疑問が浮かぶと思います。
そこで、ホームページビルダー22の特徴やメリット・デメリット、無料版などについて解説したいと思います。
ホームページビルダーと合わせて検討されることが多いのがWixやワードプレスです。ホームページビルダーの代替品は「個人のホームページ自作に人気のHP作成ソフト12選」でまとめてあるので併せて参考にしてもらえれば幸いです。
HP自作ソフト | 料金 | 日本での人気 | 機能性 | 日本製/海外製 | 総合おすすめ度 |
Wix | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 海外 | ★★★★★ |
JIMDO | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | 海外 | ★★★★☆ |
Shopify | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★★★ | 海外 | ★★★★★ |
Goope | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | 日本 | ★★★☆☆ |
STUDIO | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | 日本 | ★★★★☆ |
ペライチ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | 日本 | ★★☆☆☆ |
AmebaOwnd | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | 日本 | ★★☆☆☆ |
BiNDup | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | 日本 | ★★★☆☆ |
ポートフォリオボックス | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | 海外 | ★☆☆☆☆ |
Webflow | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ | 海外 | ★★☆☆☆ |
Squarespace | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | 海外 | ★☆☆☆☆ |
WordPress(エックスサーバーで無料インストール) | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | 海外 | ★★★★★ |
ホームページビルダーとは?
製品名 | ホームページビルダー |
最新バージョン | 22 |
リリース日 | 2020年4月22日 |
ソフトのジャンル | Webオーサリングツール |
開発会社 | 株式会社ジャストシステム |
対応OS | Windows |
株式会社ジャストシステムが開発している、ワープロ感覚でホームページが制作できるホームページ作成ソフト(Webオーサリングツール)です。
1994年に日本IBMによって開発がスタートし、その後、2010年にジャストシステムに事業売却されホームページビルダー15以降は現在のジャストシステムでの開発・販売体制となっています。インターネット黎明期に誕生した歴史が古いHP作成ソフトであり、中小企業や個人事業主に長年根強い支持を受けています。
ホームページビルダーみたいな無料版について
ホームページビルダーの無料版を探している方が多いので、先に無料版について解説しておきます。
ホームページビルダーはよくできたホームページ作成ソフトですが、最低でも1万5千円の出費が必要になります。ホームページビルダーみたいなツールで無料で使えるソフトを探している方もいると思いますが存在するのでしょうか?
結論を言うとホームページビルダーの無料版は30日間の体験版のみとなっています。
基本的にホームページビルダーのようなWebオーサリングツールは会社が営利目的で開発しているので無料ソフトは存在しません。
ジャストシステムの公式サイト以外で、ホームページビルダーがダウンロードできるWebサイトも存在しますが、どれも体験版であって、無料でずっと使えるバージョンは提供していません。
確かに最近のホームページ作成ツールの中には無料から使えて有料プランもオプションとして用意されてあるフリーミアムモデルのホームページ作成ツールも存在します。たとえばWixですね。
しかし、ホームページビルダーは1990年代からパッケージ販売・バージョンアップが行われてきたソフトで、今もパッケージ販売がメインなので、Webサービス型のフリーミアムのような販売方法は用意されていません。よって無料でずっと使えるプランはありません。
しかしながら、ホームページビルダーに操作性が似ているWixやJIMDOなどのWebサイトビルダーであれば無料プランもあるので、もし無料から使えるホームページ作成ソフトを探しているのであればWebサイトビルダーがオススメです。
Webサイトビルダーはホームページビルダーと操作性は似ていますが、無料ブログのようにインターネット上からログインして編集します。ホームページビルダーのように作成したデータをサーバーにアップロードする必要もなかったりするのでホームページビルダーよりも簡単です。
Wix・JIMDO・ペライチ・AmebaOwndといったWebサイトビルダーなら無料でずっと使い続けらるフリープランが用意されているので、ホームページビルダーと合わせて検討してみてください。以下の記事でおすすめWebサイトビルダーを解説しています。
ホームページビルダー22で新しく追加された機能
ホームページ作成ソフトのロングセラーであるホームページビルダーシリーズですが、2020年4月22日に待ちに待ったバージョン22が3年半ぶりにリリースされました。ホームページビルダーでは新しく以下のような機能が追加されています。
2023年秋段階でバージョン23のリリース情報はありません。そろそろ新バージョンを期待したいところですね。
- LP(ランディングページ)用テンプレート
- SEO Composer
- Sitemap Creator
- Google マイビジネス登録支援機能
SEO Composer (SEOコンポーザー) は名前の通り検索上位表示させるSEO対策ために使用します。
Sitemap Creatorも同じく検索エンジンに、正しいホームページの構造データを渡すためのツールで、同じくSEO対策のためです。
3つめのGoogleマイビジネス登録は、YouTubeやInstagramと並んで、集客力が高いと話題のMEO(地図検索最適化)対策のために利用されます。
ホームページビルダー22へアップデートされたことにより「デザインのテンプレートが増えている」「集客できるHPを作るための機能が特に強化されている」といった面で強化されている印象を受けます。
ホームページビルダーの評判を上げているメリット
ホームページビルダーがインターネット黎明期から日本国内で圧倒的なシェアを握ってきたのは以下のようなメリットがあったからです。
- 直感的な操作でWeb制作の知識不要
- 価格が安い
- スマホ対応(レスポンシブデザイン)
- 問い合わせフォーム・資料請求ページも実装できる
- WordPressより表示速度が速い
直感的な操作でWeb制作の知識不要
ホームページビルダーはHTMLやCSSなどの小難しいWeb知識は一切不要で、ワープロ感覚でホームページを作成できます。
自分でホームページを作りたいけど、コーディングを学んでいる暇はない方から支持を得ています。
最近はHPビルダーと似たようなコンセプトでWixやJIMDOなど、色々と登場しています。最近はホームページ作成サービスは戦国時代になってしまったのも、開発が鈍化した要因の1つかもしれません。
価格が比較的お手頃
ビジネスプレミアム | スタンダード | |
通常版 | 29,700円 | 17,600円 |
バージョンアップ版 | 22,880円 | 10,780円 |
ホームページビルダーは料金が比較的お手頃です。最近はホームページビルダー以外にも数多くのホームページ作成ツールが登場したので、ホームページビルダーが特段に安い訳ではなくなってしまいましたが、やはり1990年代〜2000年代だと、この料金でホームページが作れるのは非常に魅力的でした。
安いスタンダード版だと約1万7千円です。ホームページ制作会社に依頼した場合だと激安制作会社でも5万円以上は必須なので、それと比べるとかなり安いです。
Wix・JIMDOのようなWebサイトビルダーは月額利用料金が必要となりますが、ホームページビルダーは買い切り型なので、月額利用料を払うのが嫌で、長期間使う方にとってもコスパはいいかもしれません。
ちなみに上の料金はジャストシステムの直販サイトの価格ですが、価格コムなどの通販サイト方が更に安いです。
スマホ対応(レスポンシブデザイン)
HTML・CSSの知識がないユーザーにとってスマホのレイアウト対応が1つのハードルでした。
最近のホームページツールは大体どれもスマホ対応(レスポンシブデザイン)となっているのでホームページビルダーだけの強みではなくなってしまいましたが、基本的にホームページビルダーでWebサイトを作成すればスマホ版にもしっかり対応したデザインが自動で適応されます。
問い合わせフォーム・資料請求ページも実装できる
ホームページビルダーではもちろん、問い合わせフォーム・資料請求ページが実装できます。
問い合わせフォームや資料請求ページはデータの受け渡しが発生するのでHTML・CSSではなくサーバサイドのプログラミング知識が必要になるので、ホームページビルダーを利用を検討している方が自作することは、無理です。
一部のホームページビルダー紹介サイトでは問い合わせフォーム作れないとありますが、22ではしっかりと実装できます。
WordPressより表示速度が速い
ホームページビルダーで作成したWebサイトはWordPressサイトよりも表示速度が速いです。
日本のWebサイトの8割以上がWordPressで作成されています。しかしWordPressでHPを作成するとスピードが遅くなります。理由は動的にWebサイトを構築するからです。
ホームページビルダーはHTMLで記載された静的なWebサイトのため表示速度が速いです。表示速度が速いとGoogleからもSEO的に高く評価されます。
GoogleさんはWebサイトの表示速度を計測する「PageSpeed Insights」を用意しています。速度はホームページ作成でとても重要です。
ホームページビルダーの評判を下げているデメリット
以上がホームページビルダーのメリットでした。しかしビルダーも完璧なソフトではないので、もちろん苦手なことはあります。
続いて、ホームページビルダーの評判を下げているデメリットを紹介したいと思います。
Mac版がない
iPhoneの普及でパソコンをMacにするユーザーも増加しました。WindowsよりもMacの方がシンプルに使えて、セキュリティの問題も少ないので、ライトユーザーにはMacの方が使いやすいですよね。
ホームページビルダーはWindows版のみが発売されています。Mac版はありません。
開発会社のジャストシステムはWindows寄りの会社なので、今の段階でMac版を開発してないということは、今後もリリースする可能性は低いでしょう。
バージョンアップは有料
ホームページビルダーは現在バージョン21と結構頻繁にバージョンアップを重ねてきました。このバージョンは少し割引があるものの、基本的に有料です。しかもほぼ毎年バージョンアップがあります。
2017年〜2018年にバージョン22はリリースされなかったので、最近は穏やかですが、以前は新しいバージョンが出るためにアップグレードしていくのは、コスト面でパフォーマンスが悪かったです。
3年もバージョンが滞ると、Web業界は技術の変化が激しいので逆に心配になります。1度購入すれば数年はバージョン無料とかにしてくれるとお得感があるのですが…
使い方の難易度が高い
ホームページビルダーはHTMLやCSSが分からない人でも簡単にホームページが作れるように開発されたソフトウェアです。だから、パソコンやWebの知識が少ない人が利用するのですが、意外と操作難易度が高かったりします。
参考書とセット売りされているプランもあったりと、ホームページビルダーは大手企業によって開発されていて、非常に多機能で奥が深いソフトですが、もっとシンプルに使いたい方にとっては、不要な機能も多いです。
もし、なるべく簡単にホームページを作りたいという方であればインターネット上で作成から公開までできるホームページ作成サービスを利用した方が、簡単にホームページが作成できます。
サーバーにデータをアップロードする必要がある
ホームページビルダーはパソコンにダウンロードして使うソフトウェアなので、作成したデータを誰がアクセスしても見れるサーバーにアップロードする必要があります。
レンタルサーバーとの契約は、ホームページ初心者にはちょっと分かりにくいかもしれません。またレンタルサーバーを借りると、月額千円程度の出費が別途発生します。
ホームページビルダーで作ったHPを公開するならエックスサーバーのスタンダードプランがおすすめです。
電話サポート付きだが2回まで
ホームページビルダーは法人がサポートしているものの、分からないことがあっても電話で問い合わせできるのは2回までです。
またワードプレスなど他のHP作成ツールと異なり、インターネット上で検索してもホームページビルダーの使い方の方法はほとんど検索ヒットしません。使い方の情報を取得するのが、少し難しいです。
SEOに強くない
ホームページビルダーだけではありませんが、基本的に簡単にホームページを作れる系のツールはSEO的にあまり強くありません。
検索エンジンに評価してもらいやすいと言われているのはワードプレスのようなCMSなので、もしSEOから集客したいのであれば、レンタルサーバーを借りて、その上にワードプレスをインストールしてHPを作成するのがオススメです。ワードプレス自体は無料で使えます。
- 使い方の情報共有が多い
- 無料で使えるオープンソースとして世界最強クラスに成功している
- ネットショップも構築できる
- モダンなWebデザイン
- 動的サイトが作れる
- ホームページビルダーのようなデザイン方法ができるようになった
- プラグインが豊富
- ブログでのSEO対策ができる
- Macでも操作できる
ワードプレスでHPを作るメリットは以下のページを参考にしてみてください。
ホームページビルダー22では、SEO ComposerというSEO対策機能も実装され、ボトルネックであったSEO対策機能が重点的に改善されています。しかしワードプレスならそれプラスのことができます。
ブログが作りにくい
人気のSEO対策の一つがブログです。検索キーワードに対してブログコンテンツを作成することで、GoogleやYahoo!の検索結果から集客します。
ホームページビルダーは会社やお店の公式HPを作成することが主目的です。ブログのようなコンテンツSEOには最適化されていないため、ブログ集客向きではありません。
ブログの他、動的コンテンツの作成も向いていません。
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デザインがちょっと古くさい
ホームページビルダーで作ったサイトは、令和現在だと、少々古くさいデザインに見えます。
レスポンシブ対応なので、スマホでもレイアウトは最適化されているのですが、デザイン的にはちょっと物足りないと感じるかもしれません。
AI生成機能がない
最近のホームページの自作ツールにはAI生成機能が実装されています。たとえば、イメージを伝えればWixやJIMDOでは自動でWebデザインを構築してくれる機能があります。
またホームページに掲載する画像やテキストも生成できるような先進的な機能がWixには最近実装され始めました。これからホームページの自作ソフトもAI機能が実装されているソフトと非実装ソフトとの間で差が開いていくことが予想されます。
日本のHP自作を支えてきた、ホームページビルダーの巻き返しに期待したいところです。
ホームページビルダー まとめ
ホームページビルダーは古くからあるホームページ作成ツールで参考書籍も数多く発売されているので学習しやすいツールです。
最近はWebブラウザでホームページを作成できるWebサイトビルダーが盛り上がっているので、勢いが弱まっていますが、「Windows上にソフトをダウンロードして使いたい」「大手企業が作っている安心感が欲しい」という方にとってはまだまだホームページビルダーは理にかなった選択肢の1つです。
ホームページビルダー以外のおすすめホームページ作成ツールについては以下の記事を参考にしてみてください。
- Qホームページビルダーは時代遅れですか?
- A
時代遅れかどうかは、人の判断によりますが、革新的な後続のHP作成サービスが登場してシェアを落としているのは事実です。
- QWixやJIMDOとホームページビルダーの違いは
- A
Wix・JIMDOはホームページのデータ置き場とHP作成ソフトがセットとなっています。より初心者に使いやすいです。
- QWordPressとホームページビルダーの違いは
- A
WordPressはオープンソースで世界中の人が基幹システムを開発しており、有料・無料ともにデザインテンプレートやプラグインが多数開発されています。優れたエコシステムを持っている点でWordPressの方が優位性があります。WordPressは無料で使えますが、サポート体制はホームページビルダーに軍配が上がります。
- Qホームページビルダーに無料版はありますか。
- A
パッケージソフトのため、ありません。