1990年代〜2000年代にホームページを自作した人の多くがホームページビルダーを利用していました。
近年はホームページビルダーの他にWixやJMDO、そしてWordPress(ワードプレス)のようなCMS(コンテンツマネジメントシステム)を利用してホームページを自作するケースが増えました。
ホームページビルダーでHPを維持し続けるべきか、それともWordPressに乗り換えるべきかお悩みの方も多いと思うので、参考にしてもらえれば幸いdえす。
ホームページビルダーからワードプレスに乗り換えるメリット一覧
ホームページビルダーのユーザーは減少傾向です。かわりにWordPressを使う人が大多数となりました。なぜWordPressが支持されているのかと言えば、以下のような利点があるからです。
- 使い方の情報共有が多い
- 無料で使えるオープンソースとして世界最強クラスに成功している
- ネットショップも構築できる
- モダンなWebデザイン
- 動的サイトが作れる
- ホームページビルダーのようなデザイン方法ができるようになった
- プラグインが豊富
- ブログでのSEO対策ができる
- Macでも操作できる
使い方の情報共有が多い
WordPressはインターネット検索すれば使い方の情報が多いです。分からない問題があっても誰かが解決策を共有しているケースが多いです。WordPressは初心者から上級者まで幅広いユーザーが利用しています。
Web制作会社やWebデザイナーがお客さんに納品する方法としても主流のため、情報量が多く、スキル習得しやすいが大きなメリットです。
- 若い人からご年配まで老若男女が使用
- 趣味から本業まで様々な人
- 学習意欲高め
- 年配が多い
- 個人事業主や中小企業が多い
- ITリテラシーが低い
- 学習意欲低い
無料で使えるオープンソースとして世界最強クラスに成功している
WordPressは無料で使えるオープンソースソフトウェアとして世界中で最強クラスに成功しています。
オープンソースとは、コンピュータプログラムのソースコードを公開し、誰でも自由に利用や改変ができるようにする考え方やソフトウェアのことです。ソフトウェアの品質向上やイノベーションが促進されるなどのメリットがあります。
ホームページビルダーは大手企業のジャストシステムが開発・運営しています。大手企業が開発しており、ソースコードも公開していないので、安全性は高いです。
しかし、無料でプラグインやデザインが共有されていたりなど、かゆいところに手が届くような拡張機能はWordPressの方が圧倒的に充実しています。
ネットショップも構築できる
WordPressならネットショップや予約機能などの決済機能を実装することができます。
ホームページビルダーは決済機能を提供していません。せいぜい「問い合わせ機能」ぐらいしかプログラムが裏で動く機能はないので、ネットで商品やサービスを販売したい場合にはWordPressや他のCMSを選択する必要があります。
モダンなWebデザイン
WordPressはホームページビルダーのテンプレートよりも、よりモダンなWebデザインです。ホームページビルダーのテンプレートは2010年代を彷彿させるテンプレートです。
WordPressのテーマ(デザインテンプレート)は玉石混交の世界です。しかし、ここ5年以内に新しくリリースされたテーマはモダンで2020年代らしいデザインに仕上がっています。デザインを細かくカスタマイズしなくても今風のHPを簡単に自作できるのがWordPressの強みの一つです。
吹き出しのようなテキスト装飾も充実しています。
動的サイトが作れる
WordPressは動的なサイトを構築できます。動的なサイトとは例えば以下のようなことができます。
- 人気記事
- 関連ページ
- 掲示板機能
- ページへのコメント
- ログイン機能
- コメント
上記のような動的コンテンツはWebサイトを訪問したユーザーの満足度を上げることができます。動的なコンテンツは現在のWebサイト運営には重要になっています。
ホームページビルダーのようなデザイン方法ができるようになった
ホームページビルダーの強みといえば、誰でも簡単にホームページをデザインできることだと思います。同じような方法でHPをデザインできる方法としてはWixやJIMDOなどがありますね。
ホームページビルダーやWixのような方法でデザインする機能を「ページビルダー」と呼びます。
WordPressはGutenbergと呼ばれる新しい編集機能が追加されて以降、WixやホームページのようなページビルダースタイルでWebデザインができるようになりました。
年々、ページビルダー機能で実現できる幅が拡がっており、WordPressをホームページビルダーのように使うのは時間が解決してくれます。
Elemantorのようなページビルダー系プラグインを利用すれば、現段階でもハイレベルに作り込めます。
プラグインが豊富
WordPressが人気の理由の一つがプラグイン(拡張機能)が豊富なことです。WordPressはオープンソースのため、世界中の有志の方が開発してくれています。プラグインを利用すると以下のようなことができるようになります。
プラグイン名 | 機能 |
Yoast SEO、Rank Math | SEO対策 |
Google XML Sitemaps | サイトマップの作成 |
Broken Link Checker | 無効リンクのチェック |
Akismet | スパムコメント対策 |
Post Snippets | 定型文の挿入 |
Contact Form 7 | 問い合わせフォーム |
EWWW Image Optimizer | 画像の容量削減 |
Converter for Media | 画像をWebP、AVIF形式に一括 |
Word Balloon | LINEなどの会話調のテキスト装飾 |
Jetpack | 統計情報、関連投稿、検索エンジンの最適化、ソーシャル共有、保護、バックアップ、セキュリティ |
Table of Contents Plus | 目次の自動作成 |
TablePress | 表の作成の効率化 |
WP Rocket | サイトの表示高速化 |
WordPress Popular Posts | 人気記事の作成 |
UpdraftPlus | Webサイトのバックアップデータの自動作成 |
TinyMCE Advanced | 文章作成の効率化 |
WooCommerce | ネットショップ機能 |
有料のプラグインもありますが、無料で十分な機能が得られるプラグインが豊富でです。
ブログでのSEO対策ができる
ホームページを作ったことがあるなら一度は耳にしたことあるのが「SEO」という言葉です。GoogleやYahoo!での検索結果を上位表示させるためのテクニックをSEO(対策)と呼びます。
近年は昔のように小手先のSEO対策は通用しなくなりました。数少ない今でも有効なSEOがブログ記事の量産です。ユーザーの検索キーワードに対して、有益なページを作成して、検索結果から集客する手法がブログSEO(コンテンツSEO)です。
WordPressは元来はブログに最適化されたWebサイト構築システムのためにブログが非常に書きやすいことで評判です。ブログで集客するのであれば、ホームページビルダーは比較対象になりません。全てのHP作成ツールと比較しても、WordPress一択と言って過言ではないほど、圧倒的な人気・機能性を誇っています。
Macでも操作できる
ホームページビルダーはWindows専用のソフトです。Macでは利用することができません。WordPressはSNSと同じくインターネット上でログインして情報を編集・投稿します。
ログインして情報を更新するので、ホームページビルダーのように自宅のPCからFTPソフトでデータをサーバーアップロードする必要がありません。
またスマホにも対応しています。情報の変更等であればiOS・Androidなどスマホアプリも用意されているので、外出先から編集することも可能です。
ホームページビルダーからワードプレスに乗り換えるデメリット一覧
以上がホームページビルダーからワードプレスに乗り換えるメリットでした。たくさんの利点があるので、これからHPを新規で作成するのであれば、WordPressを最初に検討することを推奨します。
しかし、一方でホームページビルダーの方にしかない利点もあるので、合わせて検討材料にしてもらえれば幸いです。
- 使い方を覚える必要がある
- 質問できる問い合わせ窓口がない
- セキュリティ対策が必要
- 表示スピードが遅い
- 問い合わせフォームが安定しない
使い方を覚える必要がある
ホームページビルダーを長年使っているユーザーからすれば、新しく全く別のHP作成ツールの使い方を覚える必要があります。学習難易度はWordPressの方が難しいです。
「新しいソフトを学習するような時間がない」「そもそもパソコン作業が苦手」といった方で、特にホームページビルダーで困っていない場合には無理に乗り換えする強い理由がありません。
質問できる問い合わせ窓口がない
WordPressは無料で利用できるHP作成ソフトウェアです。しかし、無料で使えるので、カスタマーサポートが存在しません。何か分からないことがあれば、直接、開発運営会社に質問したい場合には、WordPressではできません。自力で解決するしかありません。
セキュリティ対策が必要
またWordPressはセキュリティが脆弱なソフトの代名詞的な存在です。WordPressのセキュリティ問題の多くがプラグインから問題が生じやすいです。プラグインはボランティア運営のようなケースもあり文句は言えないですが、セキュリティホールがあると事業者としてのイメージがマイナスです。
問題があるプラグイン情報を収集する必要がありますし、あまり多くのプラグインをインストールしてWordPressでWebサイトを運営することも推奨されていません。WordPressはプラグインを挿れすぎると、相性の問題でエラーメッセージが出ることもあります。
プラグインで様々な機能を追加できますが、近年はなるべくプラグインをインストールせずに運用するユーザーが多いです。
表示スピードが遅い
WordPressは動的なWebサイトを構築することができるのが強みですが、同時に弱みでもあります。動的なWebサイトは読み込みスピードが遅い弱点があります。
スピード重視であればホームページビルダーのようなHTMLでの静的ホームページの方が表示速度は速いです。特に広告出稿している事業者は読み込み速度を重視してホームページビルダーを使い続けるのは合理的な判断です。
問い合わせフォームが安定しない
WordPressでも問い合わせフォームがあります。プラグインを利用して実装します。いくつかメジャーな問い合わせフォーム実装用のプラグインがありますが、有名なプラグインでも「届かない」「完了ページの実装が複雑」「無料版だと機能が不十分」など少し安定性に欠ける部分も指摘されています。
ホームページビルダー vs WordPress まとめ
- 使い方の情報共有が多い
- 無料で使えるオープンソースとして世界最強クラスに成功している
- ネットショップも構築できる
- モダンなWebデザイン
- 動的サイトが作れる
- ホームページビルダーのようなデザイン方法ができるようになった
- プラグインが豊富
- ブログでのSEO対策ができる
- Macでも操作できる
- 使い方を覚える必要がある
- 質問できる問い合わせ窓口がない
- セキュリティ対策が必要
- 表示スピードが遅い
- 問い合わせフォームが安定しない
以上がホームページビルダーユーザーがWordPressに乗り換えるメリット・デメリットでした。
Webサイト制作ツールは近年世界的にも競争激化となっています。業界のトップランナーがWordPress・Wix・Webflow・Shopifyあたりです。日本ではWixと並んでライバル関係だったJIMDOですら雲行きが怪しい時代になってきました。
近年、ホームページビルダーはバージョンリリース頻度が鈍化しています。競合と比較してもアップデート機能に見劣りを感じるのは事実です。これまでホームページビルダーを使っていたユーザーも、いずれWordPressやWixに乗り換える日がやってくるかもしれません。
しかし今現在、特に困っていないのであれば、もうしばらく静観しておくのも判断の一つとしては間違ってはいません。もしかしたらWordPressを超えるHP作成ツールにホームページビルダーが大幅進化する可能性もゼロではありません。