個人事業主や中小企業の中には、ホームページの制作費用をなるべく節約したいと思っている方も多いのではないでしょうか?
個人のWebデザイナーなら制作会社よりも料金が安いと思い、フリーランスのホームページ制作事業者を探している方もいると思います。
しかし、個人にホームページ制作を発注するのは、あまりオススメしません。その理由を説明したいと思います。
個人事業主や中小企業のためのホームページ制作っていくら必要?
まず、ホームページってどれぐらいの料金が相場なのかという話をしたいと思います。大半の個人事業主や中小企業のコーポレートサイト(公式サイト)は以下8ページがあれば十分です。
- トップページ
- 商品情報ページ
- 会社概要ページ
- アクセスページ
- 採用情報ページ
- ブログページ
- 問い合わせページ
- プライバシーポリシー(Googleアナリティクスを使う場合に必要)
ワイヤーフレーム(Webサイトの設計図)から作成してもらわなくても、コーポレートサイトに必要なページは大体こんな感じです。
このページ数(8ページ前後)で個人事業主や中小企業向けの公式サイトを制作してもらうと、20万円〜100万円ぐらいがホームページ制作会社に発注した場合の相場になります。
少し幅が広いですが、オリジナルデザイン・アニメーション(JavaScript)の実装・写真撮影・有料のイラストの使用・CMSの導入など様々なオプションを追加していくことで料金が高くなっていきます。
テンプレートデザインを使って、オリジナリティはなくても名刺代わりに使えるホームページで十分であれば、20万円でもOKです。それなりにオシャレなデザインで、内部設計(SEO)もしっかり設計されているホームページを20万円ぐらいでも納品してくれる業者もあります。
ホームページ作成を個人に発注をおすすめしない6つの理由
個人にホームページを発注しようと考えている事業者の多くは、コスト面で法人より個人の方が安いと思っている方が多いです。
確かに、個人に依頼すると20万円以下での納品も可能になります。しかし、個人的に個人にホームページ制作を依頼するのは以下の理由でオススメしません 。
- ホームページ制作を個人(フリーランス)に依頼しても料金は安くない
- 格安プランをしっかり開発しているホームページ制作会社が存在する
- コミュニケーション・サポート体制が悪い場合も
- 信用がない・廃業リスクがある
- 実績・経験が少ない
- 個人でレベルが高いホームページ制作事業者は少ない
ホームページ制作を個人(フリーランス)に依頼しても料金は安くない
地域に根ざしたフリーランスのWebデザイナーさんの料金はそこまで安くありません。通常のホームページ制作会社と同じ料金相場か、少し安い程度で、個人でも最低20万円ぐらいは必要になりますし、アニメーションなどを実装してもらったり、イラストなどを挿入してもらうと50万円以上になります。
自分のスキルに自信のある個人のWebデザイナーさんは、たとえ個人事務所でも自分のスキルを安売りしません。ホームページ制作会社と同じ水準の料金体系のケースが多いです。
たしかに激安で請け負ってくれるWebデザイナーさんも一部存在しますが、低価格を全面に押し出した個人は、料金以外に強みがないので料金を強みにしていることも多いです。
納品してもらえるホームページのクオリティが低かったり、後から追加料金が必須だったりすることもあるので、20万円以下のホームページ制作業者は探さない方がトラブルを避けるためにも無難です。
もし予算が20万円以下しかないのであれば、とりあえずWixなどのホームページ作成ツールで自作しておいて、20万円以上の予算の目処がつけば、ホームページ制作会社に依頼してリニューアルすればいいです。自作できるツールは以下の記事を参考にしてみてください。
格安プランをしっかり開発しているホームページ制作会社が存在する
もし、20万円程度の予算がれば、個人のホームページ制作事業者よりも、法人のホームページ制作会社の方が格安プラン用のテンプレートをしっかり社内で開発していたりするのでオススメです。
CSSアニメーションなどが実装されてないオリジナルデザインより、テンプレートでもしっかりアニメーションを実装されているホームページをカスタマイズしてもらった方が、同じ20万円でもクオリティの高いサイトが完成します。
一部ですが、以下のページでレベルの高いテンプレートを使ったホームページ制作会社を紹介しています。
コミュニケーション・サポート体制が悪い場合も
個人のホームページ制作事業者は、法人と違ってコミュニケーションやサポート体制が悪い場合があります。1人で運営しているので、自分のルールが事業者のスタイルです。
「コーディングがいい加減」「料金体系がボッタクリ」「連絡が遅い」「上から目線な態度」「修正依頼したら反論される」など、個人でホームページ制作をしている方の性格が色濃く反映されてしまいます。
ホームページ制作会社に勤めているWebディレクター・Webデザイナーさんは会社員なので丁寧にヒアリングや問い合わせに対応してくることが多いですが、個人のホームページ制作事業者さんだと、どういった対応をするかは、人それぞれです。
信用がない・廃業リスクがある
個人のホームページ制作事業者は、他に従業員やパートナーもいないので、自分が廃業しようと思えばすぐにホームページ制作事業をやめることができます。
ホームページは更新・修正依頼を行う必要があるので、税理士と同じぐらい業者選びが重要です。個人の方は3年後すら個人事業主として尊属しているのかどうか分かりません。パソコン1つだけあれば起業できるので、多くの人が毎年参入し、クライアントを獲得できずに廃業しています。
また個人事務所だと、病気や交通事故などによって急に他界するリスクもあり、ホームページの管理などを依頼していると面倒なことになります。
主婦業のついでにWebデザイナーしている方だと、子供の病気で作業が止まることもありますし、旦那さんの転勤で他県に転勤してしまう可能性もあります。
長期的なお付き合いとなると、個人のホームページ制作事業者は制作会社よりも想定外の問題が起こりやすいです。
実績・経験が少ない
ホームページ制作は昔から業界未経験からいきなり独立しやすいIT専門職の1つです。ホームページ制作会社で働いたことがない方でも、フリーランスとして独立することができるので、中には実戦経験がほとんどないのにも関わらず、個人のホームページ制作事業者として活動している方もいます。
主婦が自宅でできる仕事という理由でWebデザインのスクールで学び、すぐに独立できるのがホームページ制作業界です。また本業はグラフィックデザイナーや映像クリエイターだけど、収入の幅を広げるためにWeb制作業も自分の得意分野じゃないけど仕事を取っている方もいます。
もちろん有名Web制作会社で5年以上経験を積んでから独立するような方もいますが、個人のWebデザイナーさんのレベルは差が激しく、開発力の良し悪しの判断が難しいのもデメリットの1つです。
個人でレベルが高いホームページ制作事業者は少ない
ホームページ制作には以下のようなスキルが必要であり、これら全てが得意な方はほとんどいません。
- Webデザイン・グラフィックデザイン
- イラストの作成・画像の加工
- Webマーケティング
- SEO
- HTML・CSSのコーディング
- アニメーションのWebプログラミング(JavaScript・jQuery)
- サーバサイドのWebプログラミング(PHPなど)
個人でも外注などを使って、全体をカバーするタイプの方もいますが、外注すると費用が高くなるので、最初からWebエンジニア・コーダー・Webマーケターが揃っているホームページ制作会社に依頼した方が無難です。
ということで料金が安い訳でもなく、いろいろデメリットのある個人にホームページ制作を依頼するのは、あまりオススメしません。
個人(フリーランス)のホームページ制作事業者の探し方
フリーランスにホームページ制作の依頼は、個人的にはあまり、オススメしませんが、とりあえず個人のホームページ制作事業者の探し方を紹介しておきます。特にクラウドソーシングは激安が可能なので、使い方によってはいいかもしれません。
- インターネットでの検索
- クラウドソーシング
- ココナラ
インターネットでの検索
一番スタンダードなのがインターネットでの検索です。個人事業主の方もホームページ制作会社と同じく公式サイトを公開されており、特に地方だと「ホームページ制作 + 地域名」で人気のある個人のホームページ事務所のサイトが上位表示されています。
インターネットで地元のWebデザイナーを探すメリットとしては「簡単に見つかる」「地元なので直接会える」「メンテナンス契約しやすい」といったことがあります。
デメリットとしては、「スキルが低くても上位表示されておりコーディングスキルは未知数なこと」「料金はホームページ制作会社とほとんど変わらない場合が多い」といった点です。
クラウドソーシング
続いてはクラウドソーシングです。クラウドソーシングは、スキルを売りたい個人と、発注したい企業・個人をつなげるマッチングプラットフォームです。ランサーズなどのクラウドソーシングサイトがWebデザイナーを探す場所としては人気があります。
クラウドソーシングのメリットとしては、お金を払う側の立場が強いです。激安で個人のWebデザイナーに発注したい場合には一番オススメとなります。
しかしながら、数ヶ月間プログラミングスクールで学んだだけで、ほとんど実績がないような個人も登録しているので見極める力も必要になります。もちろんレベルの高いバリバリのプロのWebデザイナーさんも使っていますが、報酬の下落圧力が激しいので、レベルが高い方はあまり使いたがりません。
クラウドソーシングだとホームページ・ランディングページが5万円以下といった最安価格帯でも対応してもらえます。スクールで学びたての新人デザイナーが実績欲しさに、破格の値段でオファーしても対応してもらえることもあります。
クラウドソーシング使うならオススメの発注方法は、ワードプレスのテーマテンプレートを購入して、装飾(CSS)だけ好みにカスタマイズしてもらう方法です。
WordPressの市販のテンプレートだと、使いやすい機能・デザインなどはテーマ開発会社が既に用意してくれていますし、アップデートも開発会社が対応してくれるので、メンテナンス契約する必要もありません。
市販のテンプレートをベースにCSS(装飾)だけ自社にマッチした色やレイアウトに変更してもらうのであれば、レベルの低いWebデザイナーに発注して、記述に間違いがあったとしても、検索エンジンに大きな影響は与えませんし、サーバサイドのプログラミングもノータッチなので致命的なバグが発生することもありません。
ココナラ
ココナラは個人が自分の得意なスキルを売ることのできるプラットフォームです。ホームページ制作以外にもいろいろなスキルが出品されています。個人が特技を売る場所で、10〜20代の若いユーザーが多いですが、プロのWebデザイナーも登録しています。ココナラは使い方がクラウドソーシングよりも少し簡単なのがメリットかもしれません。
しかし、クラウドソーシングが発注側が立場が強いのに対して、ココナラでは出品者が強く、価格があまり安くなりません。連絡も取りにくいです。カスタマーサポートも期待できないこともあって、ココナラで個人のホームページ制作事業者を探すのであればランサーズの方がいいでしょう。
ホームページ制作に使うようなちょっとしたイラスト作成などをお願いする場所としてなら、ココナラは検討してみてもいいかもしれません。
個人にホームページ作成依頼 まとめ
- 地元の個人にホームページ制作を依頼しても安くならない
- ランサーズなどのクラウドソーシングが最安で制作してもらえる個人を探せる
- 個人は開発力・サポート体制などで優位性がない
- 20万円程度でテンプレートをしっかり開発しているホームページ制作会社への発注も検討する
地元にいる個人のWebデザイナーにホームページを発注してもあまり安くなりません。もし価格を安くしたいのであれば、ランサーズなどのクラウドソーシングで発注するようにしましょう。
また20万円程度あれば自社で内部SEO対策やデザインなどをしっかりと磨き上げたテンプレートを抱えているホームページ制作会社が検討可能なので、そのようなホームページ制作会社を探した方が、個人のホームページ制作事業者を探すよりもおすすめです。