最近テレビ・ネットのCMも積極的に投下中のココナラ。個々人が様々なスキルを出品できるスキルシェアサービス第一人者です。
どちらかといえばイラストレーター・デザイナーなどクリエィブ系の受発注が多いのですが、税理士や行政書士、司法書士・弁護士のような士業系も出品することができます。
しかし、残念ながら行政書士・税理士のような士業系はココナラでの集客には向いていません。その理由を解説したいと思います。
ココナラが行政書士・税理士の集客に不向きな理由8選
士業が提供するサービスがココナラと相性が悪い

行政書士・税理士の提供するサービスがココナラと相性が悪いというのが最大の理由です。税理士としてはなるべく、割がスポット的な案件ではなく月額顧問契約の継続案件を受注したいのではないでしょうか。
しかしココナラには以下の特徴があります。
- スポット的な単発案件が多い
- 月額契約などの購入には向いていない
- 電話や対面での直接やり取りができない
無理やり毎月課金していただいて、月額顧問契約のように使っている税理士も一部いらっしゃいますが、毎回、手数料をココナラ本部に徴収さられますし、やはり少数派です。
またココナラは利用規約上、直接、電話での連絡ができません。書類の郵送などは可能ですが、直接訪問はできませんし、ココナラで出会ったクライアントとはココナラを通さずに直接取り引きができないルールが永遠に適応されてしまいます。
手数料が高く割に合わない

ココナラの販売手数料は22%です。これは数あるマッチングビジネスサービスの中でも比較的高い出品手数料となっています。
たとえば、同じく士業のマッチングプラットフォームとして利用されているミツモア・ゼヒトモなら初回メッセージに数百円、比較ビズのような月額固定のビジネスマッチングサイトなら月額1.5万円です。
圧倒的な知名度(集客力)とサイトの使いやすさから、高い手数料でも利用しているクリエイターの方も多いです。
しかし、クリエイター系出品者とは異なり、職業自体の時間給が高い傾向のある士業系出品者にとって、毎回ココナラ運営に20%超えの手数料を差し引かれるのは収益を安定させる上で、大きな痛手です。
ココナラ自体は無料で使えるので優位性がありますが、その後、売上金額に依存した手数料を取られることはありませんし、長期顧客を獲得してしまえば、クライアント獲得コストは無視できます。
電話相談は短時間で終わってしまいやすく稼げない

ココナラで最近、注目となっているのが電話相談です。様々なジャンルのお悩み系の電話相談が用意されています。
行政書士や税理士の狙い目は電話相談! ……と感じてしまいますが、実はそうでもありません。
これは分刻みで、「人生相談」「恋愛相談」のようなことは、思わず時間を忘れてお話してしまったりしますが、税務相談・法務相談などは特定の解決したいトピックがあるため、知りたい情報が聞ければお役御免なので、短時間で終了します。
じゃあ、短時間で終わるからと、分給を高単価に設定すると、長時間になったケースを恐れて相談依頼が来ないです。
電話相談から、直案件につなげることもできないので、電話相談と士業は相性が良いようで、悪いです。
短文で回答していると悪い口コミを書かれる

ということで士業であれば、テキストベースの出品サービスを回答するのが基本戦略になります。そこで時間給を意識するたえ簡潔に短文で回答したくなりますよね。
しかし短文で補足を省略して、回答だけ答えるとレビューに悪く書かる可能性があります。短文で終わらせようとすると、レビュー評価で低評価にされやすいです。

クリエイター系の出品者は「こんなに丁寧な文章のやり取りしているの?」と驚くレベルで何度も丁寧やメッセージでやり取りを繰り返しています。この過剰サービスがココナラの評価基準になっている発注者が少なくありません。

めんどくさいのだ。僕には無理なのだ。
士業だからといって、短文で終わらせようとすると、悪い評価をつけられて、それがネット上の口コミ評価として残っていく可能性があります。
テキストベースは何度もやり取りが多い

ココナラは基本的にテキストベースでサービスを提供します。
通常の行政書士・税理士のスポット顧問であれば、電話一本で5分程度で終了する案件が何度も、文章を作成しなければならず、メッセージ確認通知・ログインの手間を合わせると、1時間以上時間がかかることも少なくありません。
また出品者も慣れておらず、適切なアドバイスをするために文脈を聞き出したりしなければなりません。特に税理士・行政書士など専門性が高いアドバイザリーサービスの場合は、ヒアリングが重要となってきます。
テキストベースなので、簡単な確認のメッセージが何度も届くこともあり、ココナラではダラダラといつまでもチャットが続くケースも少なくあり、なかなかタスク完了できずに本業の時間を浪費してしまいます。
無料でメッセージで情報を聞き取ろうとしてくる層に遭遇しやすい

ココナラは同じく地域マッチングサービスのジモティーなどと同じく、どちらかといえばユーザーの民度が低いWebサービスの代表格と呼ばれたりする場合があります。
全ての出品ジャンルに該当しますが、ココナラでは一部の方がサービスを購入せずに、無料のメッセージ機能だけで情報を抜き取ろうとしてくる悪質ユーザーが存在します。
ココナラの出品のボリュームゾーンである作業して納品しなければいけないジャンルであれば、そのような問題は発生しないのですが、情報が対価となる「教えます系」では発生しやすいです。
行政書士・税理士などは、情報が提供サービスとなるため、このような冷やかしのような方に遭遇しやすく、気持ちを悪くされてしまう体験をする可能性があります。

ココナラは個人のクライアントのため、予算が小さく、セコいこと考えいているユーザーが多いで
ココナラに求められているのは単純作業を安く請け負う格安出品者

なぜ近所の税理士・行政書士事務所に有料相談するのではなく、ココナラを使うかというと、コストが安くするためと考えているユーザーが多いです。そもそも潤沢な予算があれば、お金払って近隣の事務所にスポット相談しに行けばいいだけですからね。
ココナラは基本的に安い料金のサービスを求めるために付加価値を上げていくことが難しい集客プラットフォームです。仮にココナラで人気になっても、優秀なスキルは求められていません。スポット的な時間単価が低い案件が増えるだけということもあり、士業の方は積極的に活用していない印象を受けます。

時給単価が高い士業系の方が自分の時間対価を守ろうとして、短文で簡潔に返信しようとすると、悪い評価をつけられる可能性があります。

色々、面倒くさすぎなのだ…!
ココナラから外部誘導は不可能?

ということで、士業系が使うには、非常に使いにくいのが本音なところです。しかし士業にとっても少しはココナラに利用価値がないのか気になるところですが、あります。
ココナラでは直接、外部のSNSや公式ホームページに誘導することは利用規約で禁止されています。
(23)当社サービスを介して申込み、リクエスト、依頼、問い合わせ、打診、連絡その他接触を持つに至った利用会員との間で、又は当社サービスにより知り得た情報(利用会員の個人情報を含みます。)を利用して、当社サービスを介さずに購入者と出品者が当社サービス上で現に出品されている又は出品が可能なサービスについて直接取引をする行為(直接取引を誘引する行為及び誘引に応じる行為を含みます。)
ココナラ 第13条 (当社サービスの利用条件)
しかしながら、行政書士・公認会計士・税理士としての登録番号を記載するのはOKですし、事務所の屋号を記載するのも現在のところ黙認のようです。
ユーザーは自分でGoogle検索して見つける必要があるものの、本当にこの人から月額顧問契約を受け痛いとなった場合には、直接連絡をしてくる可能性もゼロではありません。
また、ココナラの口コミ評価はGoogleビジネスプロフィールに連携はされてないですが、事業者名をGoogle検索するとココナラのプロフィールページがSEOで上位表示されていたりします。
判断材料の一つでココナラの良レビューがクライアント獲得に役立つ可能性もゼロではありません。
行政書士・税理士の集客とココナラ まとめ
- スポット的な単発案件が多い
- 月額契約などの購入には向いていない
- 電話や対面での直接やり取りができない
- 士業系の電話相談は短時間で終わってしまいやすく稼げない
- 手数料が高く費用対効果の割に合わない
- 短文で回答していると悪いレビューを書かれる
- テキストチャットで何度もやり取りして時間を消耗する
- 無料でメッセージで情報を聞き取ろうとしてくる層に遭遇する
- ココナラに求められているのは単純作業を安く請け負う格安出品者
- ココナラで事業者名をほのめかすことは可能
士業の皆さんであれば、長期的にお付き合いできる継続案件の獲得が重要だと思います。しかし、ココナラは単発の格安案件の依頼が多いです。
しかもフリーランスや個人の方がクライアントのため、予算が小さくしょっぱい案件が多いです。
特に士業系の方は短文で時給換算にすると費用が高いので、なるべく短文・たんで案件を完結させたいですが、そのマインドでココナラを利用すると口コミが荒れて本業に支障が出る場合もあります。
士業系はやはり、長期的に相場の料金をお支払いしてくれる優良顧客の獲得ですので、全体的にユーザー属性がしょっぱいココナラに時間をかけるのはもったいない印象を受けます。
ただし、税理士・行政書士として独立したばかりの方であれば、勉強を兼ねて登録してみてもいいかもしれません。