アクロバットとは?無料版リーダーとの違いや代替ソフトも解説

Acrobat Reader(アクロバットリーダー) ITツール

PDFを開くソフトとして代名詞となっているのがAdobe Acrobat(アドビ・アクロバット)です。ビジネスの現場では不可欠なソフトですが、説明が少し難しいソフトでもあります。

「Acrobatとは何ができるの?」
「Standard・Pro・Reader版の違いは?」
「無料で使えるAdobe Acrobatの代用ソフトは?」

など様々な疑問が浮かぶと思うので、Acorbatについて情報をまとめてみました。合わせてAcrobat代用ツールについても紹介したので、参考にしてもられば幸いです。

Acrobat Proを使うのであれば、Adobe CC (Adobe ソフトのセット売り)がお得です。通信講座に申し込めば誰でもAcrobat の学割版で格安でAcrobatや他のクリエイティブツールを利用できるようになります。

関連記事:学割でAdobe CCが買える通信講座の料金比較

Acrobatとは? Acrobat Readerとの違い

Acrobat Pro(アクロバットプロ)

Acrobatは、PDF文書の作成、編集、共有、署名を可能にするソフトウェアです。Acorbatは「Reader」「Standard」「Pro」の3種類あり、機能・料金が異なります。

シリーズReaderStandardPro
月額プラン無料1,518円1,980円
年間プラン無料18,216円23,760円

無料でPDFの閲覧・署名・共同作業・注釈の追加ができるAcrobat Reader。PDFファイルに注釈を付けたり、署名を追加したり、共同作業を行ったりすることができますが、PDFの編集や保護はできません。無料でダウンロードできます。

PDFで作成してもお客さんのPCにはAcrobat Readerのような無料PDF閲覧ソフトがインストールされているケースが多いので、PDFで書類を作成しても問題ありません。

有料ですがPDFの編集・変換・署名の依頼・スキャンなどの機能が利用できるAcrobat Standard・Proがあります。

SrandardとProだと作成・編集機能が充実しています。機能制限は以下の通りです。

シリーズ ReaderStandardPro

PDFの形式を変換

PDFのコピーや編集を制限
PDFの直接編集
複数PDFを一つに結合
ペーパーレスな電子契約
PDFのセキュリティ保護
さまざまなデバイスで使える
PDFファイル作成
PDFの閲覧、コメントの追加、印刷
共有リンクを発行
ファイルや画像をPDFに
PDFを一枚ずつ整理
あらゆるアプリの印刷機能でPDF作成
PDFを瞬時に圧縮
スキャンとテキスト認識でPDFに
文書を並べて比較
密情報を削除

Proは、Standardの機能に加えて、PDFのプレフライトやポートフォリオの作成、フォームの作成、アクションの作成などの高度な機能が利用できます。編集機能を必要とするケースでも大半の人はStandard版で十分です。

Q
PDFとは
A

PDF(Portable Document Format)は1990年代初頭にAdobe社によってリリースされました。文書のレイアウトやフォントなどを保持したまま、さまざまなデバイスやプラットフォームで表示・印刷できるファイル形式です。今でもビジネスには不可欠なファイル形式です。

Q
Acrobat DCとは
A

Acrobat DCはDocument Cloudの略です。Adobe Document CloudでAdobe Signなどと連携ができます。しかし近年はAcrobatに「DC」と表記されているケースは少なくなりました。

Q
Acrobatの動作するOSは
A

AcrobatはWindows、Macの両方で利用できます。 閲覧だけならAndroid、iOSのようなモバイルデバイズでも専用アプリが用意されています。

無料で使えるアクロバットの代替ソフト

AcrobatはStandard版でも料金が高いので、代用のPDF編集ツールを探している人も多いと思います。

Acrobatの世界市場シェアは約60%です。つまり約40%はAcrobat以外のPDF編集ソフトが使われていることになります。アクロバットの代替として、以下のようなPDFファイルを閲覧・編集・管理するためのソフトウェアが利用されています。

  • Wondershare PDFelement
  • JUST PDF 5
  • いきなりPDF
  • DocuWorks
  • SumatraPDF
  • Okular
  • Foxit PDF Editor
  • Evince

Wondershare PDFelement

Wondershare PDFelement

PDFelementは、Wondershare社が開発するPDFファイルの作成・編集・変換・管理などを行うソフトウェアです。中国系のソフトですが、人気動画編集ソフトFimolar(フィモーラ)の開発元であることと、無料でも高機能なので、日本人ユーザーも多いです。

PDFelementは、Officeアプリケーションに似たユーザーインターフェイスを持ち、直感的に操作できるのでWindowsユーザーなら使い勝手いいでしょう。またEPUBやHTMLなどのファイル形式にも対応しており、DropboxやOneDriveなどのクラウドサービスとも連携できます。

PDFelementは、無料版、標準版、Pro版の3種類のバージョンがあります。無料版は、PDFの作成・編集・変換・注釈・保護などの基本的な機能が利用できますが、保存するとウォーターマーク(透かし)が表示されます。Pro版は、標準版に加えて、OCR・・圧縮・最適化・フォーム作成などの高度な機能が利用できます。もちろん有料版には透かしは入りません。

以下はAcrobatにないPDFElementの機能です。

  • PDFの一括変換
  • 行/段落編集モード: PDFのテキストやオブジェクトを行単位または段落単位で編集できるので、文書の微調整に便利です。
  • スナップショット: PDFの選択範囲を画像としてコピーし、ペイントやエクセルなどの他のアプリケーションに貼り付けることができます。
機能Windows/MacAndroid/iOSクラウド
AI サイドバー
AIによる文書の要約/校正/翻訳
AI で要約した 文書の内容 をMarkdownに変換Win版のみ
PDF に法的拘束力のある電子署名をする
注釈
ページを移動/コピー/削除/分割する
結合する
パスワードを付ける
クラウドストレージ20GB20GB100GB
編集
Office系や写真へ変換5種類1種類
その他のファイルへ変換
フォームを記入
圧縮
OCR
一括処理
データ抽出
墨消し
翻訳
XFA
シリーズ無料版標準版プロ版
買い切り料金無料5,980円9,980円
特記事項透かしあり電子署名あり

JUST PDF 5

Adobe Acrobatの代替ソフトJUST PDF 5

JUST PDF 5は一太郎やATOKで有名なジャストシステムズが開発しているPDF編集ソフトです。日本人専用のPDFソフトです。

JUST PDF 5も、PDF文書の作成、編集、変換、署名機能があります2つのバージョンがあります。

AcrobatはGPKI、LGPKI、MEDIS HPKI、マイナンバーカードなど様々な種類の電子署名に対応しているが、JUST PDF 5は電子署名と証明書のみに対応している。

またAcrobatはPDFからテキストを不要なスペースや改行なしでコピーし、他のアプリケーションに貼り付けることができますが、JUST PDF 5はできません。

Acrobatはスタートメニューからよく使う機能やタスクにアクセスでき、バッチ処理でルーチンタスクを自動化することもできますが、JUST PDF 5ではできません。

いきなりPDF

Adobe Acrobatの代替ソフト「いきなりPDF」

こちらはWindows用のパッケージソフトを多数開発・販売しているソースネクストさんのPDF編集ソフトです。

最新版は「いきなりPDF Ver.10 COMPLETE」です。高性能・低価格のPDFソフトとして、多くのユーザーや企業から支持を受けており、発売から20年以上、常に進化を続けているソフトです。

  • Word、Excel、PowerPoint、画像、WebページなどPDFの作成
  • PDFの編集
  • PDFの結合
  • PDFからWord、Excel、PowerPoint、HTML、画像に変換
  • PDFの署名
  • PDFの共有
  • PDFの保護
  • Acrobatはさまざまな種類の電子署名や電子印鑑を使えますが、いきなりPDFはデジタル署名や証明書しか使えません。
  • AcrobatはPDFから不要なスペースや改行をなくしてテキストをコピーして、他のアプリケーションに貼り付けることができますが、いきなりPDFはできません。
  • Acrobatはスタートメニューからよく使う機能やタスクにアクセスできたり、バッチ処理でルーチンワークを自動化できたりしますが、いきなりPDFはできません。

DocuWorks

PDF編集ソフ DocuWorks

DocuWorksは、富士ゼロックスが開発したPDF編集ソフトです。主に日本企業に向けて開発されています。

PDF文書の作成、編集、共有、保護が可能。スキャンデータやファクスデータ、PCで作成したデータなど、さまざまな種類の文書を仮想デスク(DocuWorks Desk)で管理し、さまざまなツール(DocuWorks Viewer)を使って閲覧・編集することができます。

また、文書に電子署名や暗号化などのセキュリティ機能を付加することもできます。DocuWorksで作成したデータのファイル拡張子は、XDW(DocuWorks文書)、XBD(DocuWorksバインダー)、XCT(DocuWorksコンテナ)です。

  • AcrobatはGPKI、LGPKI、MEDIS HPKI、マイナンバーカードなど様々な種類の電子署名をサポートしているが、DocuWorksは電子署名と証明書のみをサポートしている。
  • Acrobatはスタートメニューからよく使う機能やタスクにアクセスでき、バッチ処理で定型作業を自動化できるが、DocuWorksはできない。

SumatraPDF

Windows用の無料でオープンソースのPDFリーダーです。ePub, Mobi, XPS, DjVu, CHM, Comic Book (CBZ and CBR)などのファイル形式にも対応しています。軽量で高速で広告なしで使えます。

Okular

Linux用の無料でオープンソースのPDFエディタです。PDF以外にも多くのファイル形式に対応しており、注釈や署名などの機能も備えています。

Foxit PDF Editor

Windows, Mac, Linux, Android, iOS用の無料のPDFエディタです。PDFの作成や編集、注釈、署名、保護などの機能があります。また、クラウドサービスとの連携も可能です。

Evince

Linux用の無料でオープンソースのPDFリーダーです。PDF以外にも多くのファイル形式に対応しており、注釈や検索などの機能も備えています。

自営業者がAcrobatを安く使う方法

以上、Acrobatの代替ツール一覧でした。しかし、Acobeの純正Acrobatを使いたい事業者も多いのではないでしょうか? そこで個人事業主(フリーランス)限定ですが、安く使う方法を紹介します。

自営業者であれば、Adobe Creative Cloud (通称アドビCC)のアカデミック版を利用すれば、最安で4万円弱で利用することができます。

料金は4万円と。しかし、以下のソフトが全て利用できます。

ツール名月額利用料金(税別)用途
Illustrator2,728円(税込)イラスト・デザイン作成
Photoshop2,728円(税込)
※フォトプランの方が安い
画像編集
InDesign2,728円(税込)DTP(紙媒体のページレイアウトデザイン)
Acrobat Pro1,980円(税込)PDFの作成・編集
Premiere Pro
/Premiere Rush
2,728円(税込)動画のカット編集・文字入れ
After Effects2,728円(税込)動きのある動画編集・モーションエフェクト挿入
Lightroom1,078円(税込)
※フォトプランと同額
色調補正・写真管理
Adobe XD1,298円(税込)Web制作・アプリのUIデザイン
Dimension2,728円(税込)3D作成ツール
Dreamweaver2,728円(税込)HTML・CSSの高機能テキストエディタ(統合開発環境)
Animate2,728円(税込)2Dアニメーション作成
Audition2,728円(税込)オーディオをミキシング、編集操作
Adobe Express1,078円(税込)Canvaのようにテンプレートデザインで簡単にグラフィック作成。Premiere Rush、Photoshop Expressもセット
InCopy638円(税込)InDesignと連携して、文章の編集
Substance 3D Collection6,028円3D Modeler、Sampler、Designer、Painter、Substance Stager、3D Assets (モデルの作成、アセットのテクスチャ作成、マテリアルのデザイン、シーンのレンダリング)
Substance 3D Texturing2,398円Substance 3D Sampler、Substance 3D Designer、Substance 3D Painter、Substance 3D Assets

Adobe CCのアカデミック版は学生じゃなくても利用することができます。通信講座を利用すれば、誰も学生の身分を獲得できるからです。Adobeのアカデミックランセンス付き通信講座は以下のページで解説してあります。